狐の婿入り
〈役設定〉

・森山夏樹(もりやま なつき)・・・ある時から一人の時間が多く、笑わない子になった男子高校生。
夏の日だけ笑う事が多くなる。

・氷川真冬(ひかわ まふゆ)・・・小さい頃から夏樹のことが大好きな男子高校生。
一途すぎるせいか、夏樹以外の人から見えないらしい…?

・森山向日葵(もりやま ひまわり)・・・夏樹のお母さん。笑わなくなってしまった夏樹によく気遣いをしている様子が見れる。
だが、元気で明るい女の人。

・森山水都(もりやま みなと)・・・夏樹のお父さん。いつも優しいお父さんで、向日葵さんとはラブラブ。
息子も大好きな愛妻家。

〈助役〉

ニュースキャスター(性別どちらでも可)生徒a,b,c(性別どちらでも可)、先生(男性)


〈本編〉

雨の音が鳴り続く。
真冬と夏樹の影だけ映る。
真冬が夏樹に対して告白する様子を映す。
夏樹は気まずそうにしている。
その間に耐えきれなかったのか、真冬が幕の外まで走り出す。
夏樹は追いかけようとする。
車のブレーキ音が聞こえる。
夏樹が頭が狂ったかのように泣き叫んでいるが雨の音に掻き消され、そのまま倒れる。

テレビのニュースのような声が聞こえてくる。

ニュースキャスター「本日、県内にて白い狐が発見されました。普段は見られない狐が見つかったということで県内では大盛りあがりです!」

???「ほら、夏樹ー!もう朝よー!」
夏樹「ん…?」

夏樹気怠げに起き上がる。

夏樹「痛っ…」
向日葵「それは痛いでしょうね…床で寝てるなんて、夏樹昨日は何時に寝たの?」
夏樹「………」
向日葵「また夜ふかし?そんな夜遅くまで起きて…何か楽しいの?」
水都「きっと楽しいんだよ、高校生の夜なんて無限大に広がってるような物だったしなぁ。楽しめるうちに楽しもうって事だよな、夏樹」
夏樹「…………」
向日葵「そういうもんなの?夏樹」
夏樹「俺に聞くな」
向日葵「え〜だってさ高校生なの夏樹だけだし〜夏樹に聞くしかないじゃん!ね?」
水都「そうだね、その人にしか分からない価値観があるからね。気になるから教えてくれよ〜夏樹〜」
夏樹「やだ」
水都「いいじゃんか」
夏樹「いやだって、親なんだから子供の嫌がることをするなよ」
水都「でも、嫌な事から子を守るのも親だぞ?」
夏樹「ならやめろよ」
向日葵「やだね!いいじゃん!教えてよ〜!」
夏樹「や〜だ!」
向日葵「なんで!」
夏樹「なんでも!」

夏樹、呆れてか大きなため息をついて帰ろうとする。
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