現代版 マッチ売りの少女
現代版 マッチ売りの少女


マッチ売りの少女
ライター売りの少女

警察



舞台中央にマッチ売りの少女
少女にスポットライト
少女「マッチ、マッチはいりませんか。マッチです。買ってください。」
少女、道行く人に突き飛ばされて転ぶ
少女「うぅ・・・・・・マッチ、マッチはいりませんか。」
少女、めげずに立ち上がろうとする
明るくなる
上手から男が入ってくる
少女を見つける
少女「マッチはいりませんか?あっ、マッチ、どうですか?」(男にマッチを差し出す)
男「あ、いえ、結構です。」
男、気まずそうに下手に去る
上手からライター売りの少女がイスを持って入ってくる
少女の上手側にイスを置いてドカッと座る
ライター売り「さぁ!ライターだよ!安いよ安いよ!ライターだよ!花火にタバコにあなたの恋に、カチッと火をつけましょう!さあこのライター買うしかないよ!」
少女、ライター売りを気にするも、マッチを売り続ける
ライター売り「おっ、ライター一本?お兄さんかっこいいから、もうひとつ買えば安くしとくよ。おっそうかい。毎度!!」
少女は全く売れないがライター売りは大繁盛
ライター売り「らっしゃいらっしゃい!」
少女「あのう・・・」
ライター売り「あ?なんだい嬢ちゃん。今忙しいんだ。後にしてくれ。」
少女「私、ここでマッチを売っているのですが・・・その、なかなか売れなくて・・・」
ライター売り「はっ。そんなの見りゃ分かるよ。ライターなんて今どき誰が買うかね。」
少女「でも私、このマッチを売らないと、ご飯も食べれないんです。だから、どうしても売りたくて・・・」
ライター売り「だからなんだい?ここでライターを売るのをやめてくれって?はっ。ここはどかないよ。」
少女「いえ、そうじゃなくて・・・」
ライター売り「なんだい?」
少女「商売の仕方を教えてください!!」(深々と頭を下げる)
ライター売り「は?」
少女「先程からライター売りさんの商売を見てて、こんなに売れているのにも納得がいきました。どうか、私にも教えてください、ライター売りさん。いえ、師匠!」
ライター売り「師匠・・・良い響きじゃねえか。はっ、じゃあ教えてやろうじゃないか。商売とやらを。」
少女「はい!」
ライター売り「じゃあまずは消費者の需要を考えねえとなあ。何を欲しがってるか、それをよぉく理解しねえとだめだ。こんなマッチなんて誰が欲しいんだ?」(少女のカゴからマッチを1本取り出す)
少女「それは・・・」
男、下手から出てくる
男「さっき、貧しそうな子がマッチを売っていたな・・・断っちゃったけど、やっぱり心配で見に来ちゃった。」
ライター売り「そんなんじゃ全然ダメだ!!」
男「うわっ、なんか怒られてる・・・!」
ライター売り「おいそこのお前!」
男「え!?お、おれ?」
ライター売り「お前が今一番売って欲しい物はなんだ?」
男「え?売って欲しい物?えーと・・・ま、マスクとかですかね?」
少女「マスク・・・!確かに、今のご時世売れそうですね!師匠、私早速手作りマスクを準備してきます!」
少女、上手に走っていく
ライター売り「あの嬢ちゃん・・・商売人の素質がある。目を見れば分かる。」(腕を組みながら上手を見る)
男「ちょ、ちょっと状況が理解できないのですが・・・」
ライター売り「お前は黙ってあの嬢ちゃんの成長を見守っとれ。」
男「え、えぇ・・・」
少女「マスク〜マスクはいりませんか?マスクですよ〜!」(上手から)
少女、上手から入ってくる、落ち込んだ様子
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