あらすじ
ここはのどかな離島に位置する「久重高校」の男子生徒寮。
「島ならでは」の青春を謳歌すべく進学した生徒たちが、親元を離れて共同生活を送っている。
……1年生の衛藤は、そんなルームメイト達を横目に自室に籠り、
美少女VTuber”星庭ノア”として、日夜ライブ配信で愚痴を吐いて暮らしていた。
ところが……その現場を、相部屋の"ゴミノムシ先輩”に見られていた!
特大級の弱味と引き換えに、衛藤は「久重高校生徒寮チャンネル」の動画編集を担当することに。
はじめは順調だった作業も、だんだん雲行きがあやしくなり
締切との格闘、深夜のネットサーフィン、不毛なパブサ、やけっぱちコラボ配信&炎上、etc…
ささいなトラブルや自業自得の失敗で、なんてことない普通の(はずの)日々もどんどん苦しくなっていく。
いろいろあって、後悔して、久しぶりに配信を始めた衛藤(ノア)。
少女の姿と声を借り、誰にも言えなかった自分の話をする。
島に来た理由。
恥ずかしくてたまらなかった中学時代のこと。
そして――顔も知らない視聴者たちがくれたもの。
みっともなく笑って、暴れて、泣いて、足掻いて、襲い来る“日常”という洪水に立ち向かう物語。
その他
◆上演人数…6人~(メインキャスト6人+メインと兼役可能なモノローグ要員 4人以上)
◆コロナ禍(2021年秋)の話です。メインテーマにはあまり関わりませんが、一部の台詞にコロナへの言及があります。
◆テーマ…「離島の高校生活×インターネット」「許せない自分自身を抱えながら、当たり前の毎日を越えていくための話」
題材…進路への後悔と不安、やりたいこと、自分を変えること、不登校、劣等感、自己嫌悪、…? などなど。
◆嫌いな自分も、ふがいない過去の汚点も、人目を隠れてうずくまった暗がりも、
そんな独りぼっちの場所から見た、愛おしい風景も。
きっと誰かと比べることも、分かち合うこともできない、自分だけのもの。
だけど、そんな「私だけ」があることは、みんな同じだ。…と思えるかも、しれない。
独りぼっちの「今、ここ」から、まだ見ぬ人へ声を届ける話です。
ほんの少しでも、何かを感じてもらえたなら嬉しいです。