死んだ死








 死んだ死





登場人物
・御影 柊斗(みかげ しゅうと)
・百瀬 侑子(ももせ ゆうこ)
・先生
・所長


     教室。机が二つと教卓。

 侑子  あなたの意見なんか絶対に聞かない!何があっても!この男性は、自分の死期を悟っていたのよ。
 柊斗  いやいや、いくらなんでもそんなことはない。きっと、偶然出会ってそれがきっかけで死期が縮まったんだよ。
 侑子  そんな運命みたいな話あるわけないでしょ!最後に一目会いたくて来たの!
 柊斗  死期を悟ってたら、会ったときにあんな言い方しないよ!

     先生が入ってくる

 先生  何朝から?また喧嘩?相変わらず仲良しね。
 侑子  はあ・・そんなことないわ。柊斗が頓珍漢なことを言い始めたから優しく教えてあげてるの。
 柊斗  違うよ!侑子が先にこの話題出したんだよ。じゃあ、先生この男性はなんで会いに来たと思う?
 先生  死期を悟ってたんだろうね。
 侑子  やっぱりね!柊斗が間違ってたのよ!
 柊斗  えー
 先生  でも、柊斗の考えも間違っていないと思う。でも一歩足りてなかったね。
 柊斗  ほんと?あと一歩及ばずかー次こそは正解して見せる。
 先生  さあ、授業を始めるよ。席について。
 先生  今日から現代社会の一般教養に入っていくよ。
 侑子  やったー一番楽しみにしてた現代社会ねー!
 柊斗  ついに来てしまったか・・はあ(溜息)
 先生  まあでも、今回は説明だけだから
 先生  まず、百年前と今の生命の観点を比べて何かが大きく変わったの。何だと思う?
 侑子  大きいのは遺伝子技術じゃないかしら。遺伝子に優劣がつけられる時代になったから。
 先生  正解!今回の授業もそのことからね。これは百年前だったら絶対批判殺到。
 先生  でも、今はできている。それは、なぜでしょう?柊斗。
 柊斗  え!僕?!
 先生  そうよ。当たらないと思った?
 柊斗  ・・AIが人間がより頭が良くなったから?
 先生  惜しいけど正解とは言えないな。侑子答えて。
 侑子  簡単なことよ。人間ができる職業が限られた、だからとびっきり優秀な人を採用したい。でしょ。
 柊斗  そうなのか。あとちょっとなんだけどなー
 先生  じゃあ、柊斗の言ったことを別名何というでしょう。もちろん柊斗は知ってるよね。
 柊斗  シン・・シンギュ・・??なんだっけー
 侑子  シンギュラリティでしょ。常識よ。
 先生  完璧!
 侑子  柊斗、この世界の常識も知らないのね
 柊斗  だって興味ないし。逆になんで知ってるの?
 侑子  私はこういうの好きでよく調べてるから。あれ?柊斗劣等種になっちゃう?
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