あらすじ
西暦2221年。
人類は200年も昔に滅亡し、数台のアンドロイドのみが機動しつづけていた。
人間のために造られながら、人間の役に立つことができない彼らは、
家族のように寄り添いながら、楽しく、そしてむなしく、百年以上過ごしていた。
そんなある日、冷凍ケースから一人の人間が目覚める。
彼は多額の報酬につられ、コールドスリープの実験体として名乗りを上げたのだ。
六か月間で終了するはずだった実験だが、途中で戦争が始まり、実験担当者は逃亡。
男が目覚めたのは、自分の時代から二百年後の、自分以外の人間が滅亡した世界だった。
絶望する人間の男。
初めて人間に出会い、希望に胸を膨らませるアンドロイド。
時を超えた出会いは、荒廃した世界に何をもたらすのか。
「役に立ちたいんです。それが、私の生まれてきた意味だから……」