あらすじ
江戸に幕府が開かれる遥か前の戦国時代末期、その男は傾奇狼と呼ばれ、誰からも疎まれ、嫌われていた。誰よりも正しく在る為に強さを求める若き武士・武勝はある日ヤクザの仕切る賭場で掛軸を破ってしまった事から傾奇狼と組んで大名から金を盗み出す羽目になってしまう。
「正しく命を灯せ。弱い事は、決して悪ではない」
「誰かが決めた正しさをなぞる事を、正義とは呼ばない」
「俺は俺の義を通して生きていたい。俺は、正しく在りたいんだ」
「進む先が正義か否かは自分で決めろ」
何が正しいかは誰も教えてはくれない。だから、生きている限り何が是で何が非かは自分自身のその目で見極める他無い。これは、義賊と呼ばれた不器用な者達の、始まりの物語。