あらすじ
古典落語「粗忽長屋」を戯曲として改作。安政5年(1858年)頃のコレラ菌流行との掛け合わせ。
原作のオチを演劇的に表現するため、弟分の竹五郎を主人公に据えた。
人物設定を変えれば男女問わず演じることが出来る。
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世間ではころりという恐ろしい病が流行していた。
長屋住まいの男『竹五郎』は、兄貴分の『松五郎』から夜逃げを持ち掛けられる。別の土地へ越してしまえば、この難事から逃れられるそうだ。
時は安政。無断の転居は咎められるが、こっそりと川を下れば問題がないらしい。
竹五郎は要領を得ぬまま了承してしまう。
夜分に河原で待ち合わせ、置き捨てられた船を探す計画だった。
月明りの下、船を探す竹五郎。もちろん船は見つからない。
そこに『梅五郎』が現れる。慌てる竹五郎。
計画を悟られてはいけないのだが、うっかりと口を滑らせてしまった。
困った竹五郎だが、救いの手を差し伸べる梅五郎。内緒で手伝いを申し出てくれる。
しかし、彼らが見つけたのは船ではなく『ころり』だった。
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登場人物の三人、誰が粗忽者かは演出次第。
喜劇か悲劇か理不尽か。演じながらイジリまわしてく下さい。