あらすじ
近未来、ウイルスパンデミックの中、大人と子供の戦争が起こっていた。山内武流は廃墟ビルで大木由美に助けられる。二人で夕食の肉を頬張っていると、廊下の奥から話し声を耳にする武流。彼はその方へ向かうと、非常口の闇の奥から由美と彼女の息子の会話が聞こえ、次第に肉の塊を始末する荒い女の息へと響きわたる。由美の元へ駆け戻った武流は、由美がじっと見続けている焚き火を覗く。炭に混じって頭蓋骨があった。
非常口での会話、そして焚き火の中の頭蓋骨から武流は理解する。武流の目に映る由美の怪異。
陽が上り、廃墟から出てくる武流。首にはネックレス(由美のもの)。瓦礫で二つの石積みをしているとそこらじゅうにいたカラスの群れが一斉に飛び立ち、銃撃戦の音が響き始める。