あらすじ
場所はとある高校にある文芸部室。この学校の規定では廃部になる人数であったが続いているのには訳がある。それはベストセラー作家となった元顧問の柏木によるものだった。柏木は時々部室に顔を見せては小説の添削や、プロットなどを見てくれる。部誌には柏木のオリジナル作品ものせて文化祭で発売する。柏木は今回、パズルをテーマとした作品を書いていた。
特におしゃべりという訳ではない文芸部二人(富永・新海)は独特な雰囲気で制作を続ける。そんなある日、柏木は二人の作品を見て、共通して言えること、として人間が書けていない、と伝えた。人間が書けていないという言葉に対して二人は様々に考え、書いてみるがなかなか思うように書けない。辛い日々が続くなかでむしゃくしゃした怒りをお互いにぶつけてしまう。バラバラになってしまった二人に対して柏木は自らの職場へ呼び、和解を求めるために言葉を尽くすが、解決しなかった。
次の日、柏木が部室に出向いたとき、誰もいなかった。そこで、彼は2ピースの欠けたパズルを置いていった。後日、文芸誌への毎月の連載をやめることが発表され、部室に二人はやってきた。そして残されたパズルと二人への手紙として送られた遺稿にはあるタイトルがつけられ、プロットとして二人のこの話と酷似した内容が書かれていた。その物語のタイトルは僕達は人間が書けない、だった。そして、二人はパズルに2ピースを入れる。