ぞーたんのからくり人形
おとき       八女福島の庄屋の娘。燈籠人形一行を取り仕切っている。
弥太郎       おときの助手。おときを助ける・・・はず。
ギエモン      発明家。からくり細工にかけては天下一品。
ハチ        茶運び人形。ギエモンが作成したからくり人形。
瓦版        町の情報を民衆に伝える。
殿         有馬藩9代藩主。きっと、純朴な人なのだろう。
部下        殿のお付き。影で殿を支える
君麻呂       殿の次男坊。兄を亡き者にし、後を継ごうと思っている。
桔梗屋       地元の有力者。君麻呂と協力し、

その1 瓦版の1

     明るくなると、瓦版がやってくる。
瓦版「号外、号外だよ。号外」
     中央に、踏み台を置きその上に乗る。
     乗ると、周りに人垣ができた。
瓦版「いよいよわれらが燈籠人形が有馬藩の殿様のお目にかなったよ。時は文政5年2月、久留米の護国神社のお祭りに、出張公演だ。」
     とかなんとか・・・
瓦版「燈籠人形のあまりのすばらしさには、有馬の殿様もこういうだろう『ありまあ。』」
     それまで騒いでいた聴衆が一気に静かになる。
瓦版「・・・号外、号外、号外だよ」
     といいつつ、退場。
     聴衆、また騒ぎながら追っていった。

その2 おときと弥太郎

     入れ違いにおとき。
     おときを追って弥太郎。
     燈籠人形を運び込んでいる。
おとき「弥太郎、気をつけてよ、代わりはないんだから。」
弥太郎「おときしゃーん。」
おとき「もうちょっと。」
     運び終えて一息。
弥太郎「ふー、これで全部です。」
おとき「そうありがとう。」
弥太郎「いよいよっすね。」
おとき「そうね、いよいようちらの燈籠人形が久留米ん町にお目見えたい。」
弥太郎「とりあえず、準備は一息っす。ふーっ。」
     と言って汗を拭く。
     手には見なれぬものが。
おとき「それは?」
弥太郎「え?ああ、なんだろう。」
おとき「どっかで見たことあるような・・・」
弥太郎「燈籠人形の手に似てますね。」
     間。
おとき・弥太郎「あーーー!!!」
     燈籠人形の手だった。
     パニック。
弥太郎「どうする?」
おとき「どうするもこうするも」
おとき・弥太郎「あーーー!!!」
おとき「とにかく、福島に戻って、代わりの人形が無いか探してきて。」
弥太郎「はい。」
     弥太郎、退場。
おとき「困ったなあ。」
     と、どこからとも無く声がする。
声「あいや、またれーい!!」
おとき「え?」
     雷鳴がとどろき、ギエモン登場。
     後ろにはハチ。
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