ラスボスの部屋(ソーシャルディスタンスver)

ラスボスの部屋(ソーシャルディスタンスver)

登場人物 

魔王

勇者一行3名

セリフ係数名

演者は全員マスクをして、セリフ係が役に声をあてて下さい。勇者一行のセリフは、自由に割り振って下さい。




魔王「ふはははは、遂にこの時が来たな勇者よ!お前たちの到着を、今か今かと待ちかねて居たぞ!」
勇者一行「魔王!お前ももうお終いだ。全ての手下、幹部たちは我々が一人残らず倒してしまった。もう残るはお前だけだ!観念しろ!」
魔王「洒落臭い!我ひとりさえ残れば充分よ。まとめて相手をしてやろう。さぁ、来るがよい!」
勇者一行「よし、皆、全員で生きて帰るぞ!行くぞ!」
勇者一行「おおー!!」どぅどぅどぅどぅどぅどぅん♪どぅどぅどぅどぅどぅどぅん♪
勇者一行「あ、ちょっとたんま。」
スマホを取り出す。
勇者一行「おいおい、これからラスボス戦だぞ?スマホの電源ぐらい切っとけよー。」
勇者一行「ごめん あ、もしもしかぁちゃん? …え…なに?……ニュース見ろ?」
魔王「な、なんだ?戦うんだろ!?」
勇者一行「ごめんちょっと待ってて……んん…都知事が会見してるよ……」


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勇者一行「あー、魔王…ちょっと聴いてほしい。…あのな…どうやら面倒な事になった…。」
魔王「な、なんだ面倒なことというのは?いいから早くかかってこいよ?」
勇者一行「そういう訳にも行かなくなった…今さっき都知事の会見があってな…要点だけ話すと…あれだ。三密を避けて、ソーシャルディスタンスらしい。」
魔王「三密を避けてソーシャルディスタンス?」
勇者一行「ああ、三密を避けて、ソーシャルディスタンスだ。」
魔王「……新手の呪文か?」
勇者一行「我々も最初はそう思った。まぁ詳しくはわからなくていいんだが…あのな、すまないが僕たちは、お前にこれ以上近づくわけには行かなくなったんだよ」
魔王「な、なぜだ。そんなに離れていては、戦いにならないではないか!」
勇者一行「そうなんだよなー。僕たちも困惑してる。」
勇者一行「俺は剣を使うから、こんな距離じゃあとどかねぇよ」
勇者一行「私は魔法使いだから、ある程度の遠距離には対応出来るけど…」
魔王「…考えてみれば吾輩も魔術攻撃が主だから、大して困らんな。よーし、お前たちがそこから動かないつもりなら、こちらから一方的に蹂躙するまでよ。覚悟するがいい!」
魔王、魔法を唱える。強いエネルギーが溜まってくる。
「うーん、なんだか不味くない?」
勇者一行「大丈夫だよ。だって」
魔王「くらえー!!」
魔王の放つ攻撃は、途中で見えない何かに当たって弾け飛ぶ。
パキーーン!
魔王「な!?」
勇者一行「ほらな」
魔王「いま、見えない何かに我の攻撃が塞がれた…」
勇者一行「飛散防止シートだよ」
魔王「ひさ…なんて強力なバリアーだ!」
勇者一行「うん、バリアーなのは間違ってない」
勇者一行「こっちの魔法も、たぶんこれに弾かれるよねー」
魔王「……どうするんだこの状況!待ちに待った我々の最終決戦だろ今!」
勇者一行「仕方ねぇだろ都知事が言ったんだから!」
勇者一行「うーん、なんとかこちらの攻撃を、相手に近づかずにぶつけられないものか…」
勇者一行「届くのはお互いの言葉ぐらいだな…」
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