雨と少女とエビチリと
『雨と少女とエビチリと』

少女       … 高校2年
店主       … 中華料理屋店主。しゃべる言葉は無駄に渋い(?)。
男        … 大学3年
女性1       … 理学療法士 24歳。酔っ払い。
女性2       … 女性1の同僚 25歳。


第1場 とある中華料理屋にて

幕があく
夜8時半くらいの中華料理屋。店にいるのは,店主と男。男はカウンター席(上手側)にいる。
男はスマホを見ながら,注文を待っている。
店主は料理を作っているようだ。
そこに,濡れた少女が息を切らした様子で上手から入ってくる。
男は,少しの間少女の方を見て,またスマホに顔を戻す。

店主   (完成した料理を皿に盛りながら)いらっしゃい。

 少女は,少しの間その場にいる。どこに座ればよいのか。そもそも濡れている状態で入ってもよいのか少し気にしているようだ。

店主   チャーハンです。

 店主,男に料理を出したのち,タオルを持って少女のところにいき

店主   お使いください。

 少女は,なんだか無駄に渋い様子に戸惑いながらもタオルを受け取る。

少女   あ,ありがとうございます。

 店主,厨房に戻る。
 少女,ひとしきり服などを拭き,そのまま真ん中あたりの席に着く。
 店主,水を持ってきて

店主   お水です。

 少女,店主の雰囲気におされて(?),なんとなく,言葉を発したり,タオルを返したりするタイミングを失い,やはり戸惑いながらもメニューを手にし,眺める。
 男は,その少女の様子を少し気になる様子で見ている。
 店主は少女のところに行き,

店主   お決まりですか。
少女   ・・・じゃあ,エビチリください。
店主   かしこまりました。

 店主,厨房へ戻る。
 少しの間の後

男    (少女に)なぁ。
店主   はい,何でしょう。
男    おっさんじゃない。(再び少女に)なぁ。

 少女,自分の事と気づかず無言で,考え事をしている様子。
 その後も男がしばらく呼ぶが気づかない

男    おい!!!

 少女,少し大きな声に驚き男の方を向く。。

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