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ラブソングを殺さないで

ラブソングを殺さないで

【登場人物】
・熊谷琴音(くまがいことね)…女。
・兎田飛翔(とだつばさ)…女になりたい男。
・猫崎胡桃(ねこざきくるみ)…琴音の友人。女。文学少女
・犬養白（いぬかいしろ)…琴音の友人。女。
・猿渡悠一（さわたりゆういち)…芭蕉の幼馴染。男。
・鹿埜芭蕉（しかのばしょう)… 猿渡の幼馴染。男。
・鷲見(すみ)…保健室の先生。

【その他】
・チャイム音は学校のチャイムだと現実的すぎるので「ゴーン」っていうタイプの鐘
・兎田、靴下短いからすね毛剃り必須
・猿渡が自分のことを厄介メンヘラと称すのは、自分がただ誰かに愛されたいだけのやつ
でありいつかは芭蕉に飽きてこんな気持ち悪い束縛を辞められる日が来る、と信じたいから。
・芭蕉は心からのバカ。犬養の方がまだ頭いい。
・耳鳴りのような音、できるなら気持ち悪い、不快感を煽るようなBGMを7辺りからだんだん大きく、最後に一気に大きく。
・「」内セリフ、『』内語り(声のみ)

【本編】

《1》
教室・夜
誰もいない、真っ暗な教室。
（適当なクラシック）

犬『この話知ってる？』
猫『夜の教室には魔法がかかる。』

下手側のドアから女生徒用の制服を着た兎田、電気をつけ、ロッカーからテディベアを取り出す。
テディベアをそれぞれ席に座らせる。

犬『触れてはいけない、秘密の魔法。』
猫『テディベアに囲まれて、兎の少年は姿を変える。』
犬『制服ドレスのシンデレラ。夢にまで見た"女の子"。』
猫『そこへ王子様が現れる。』

教卓にテディベアを置く。

犬『昼間は白衣の若旦那、夜は紫煙の王子様。』

教卓のテディベアを持ち上げ、鼻を合わせる。

犬『はわあぁ、かっこいい……』

テディベアを教卓に戻す。
兎田、自分の席に座り、机に突っ伏す。

犬『ねぇねぇ、猫。』
猫『なんだい、シロ。』
犬『どうして"触れてはいけない"の？』

下手側のドアから熊谷登場。

猫『ふふ、続きを話そうか。』

落ち着かない様子で教室を見渡す熊谷。
教卓のテディベアを触る。

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