アイワズアヒーロー
【アイワズアヒーロー】
・レッド(男。)
・ピンク(女。)
・ブルー(男。)
・ヘルシャドー(女。)
・サタンカイザー(男(声)。)


開幕。ヒーローたちの拠点。大きめの机が中心にあり、椅子が三つ。上手からレッド、ピンク、ブルーがヒーローマスクを着けたまま現れ早々にはずす。

レッド やってられん!!も―いい加減我慢の限界だ!!
ピンク んもぅレッド、落ち着いて。
レッド でも!!
ブルー そんな状態で何か訴えても何も伝わらん。見苦しいだけだぞ。
レッド ・・・!はぁ。すまない。頭に血が上ってた。
ブルー 気にするないつも通りだ。
レッド あ?
ピンク ほーら仲良くしてよ。それより、今日の反省。
レッド あぁそうだな。えーそれではただいまより反省会を執り行う。
二人  はい。
レッド じゃあ、ブルー。
ブルー はい、今日は東町で発生した怪人ブラックメタルによる襲撃事件を解決しに行きました。通報が来たのが2時過ぎでロボで移動して到着が五分後。その後20分で解決し、器物破損はなし。極めてスマートな活動だった。
ピンク そうね。特に今日はよかったわ。反省点も特に、なかったわよね?
レッド そうだな。完璧だった。
ピンク ・・・で?
ブルー で、問題がそのあとだな。問題解決後、50人余りのプラカードを持ったヒーロー反対派が詰めかけロボの発進を邪魔。おまけに石を投げられたりスプレーを吹き付けられたりと散々な結果に。

沈黙後、レッド、机を叩く。

レッド 何なんだあいつらは!!前々からヒーロー反対ヒーロー反対と!!
ピンク 落ち着いてって
レッド お前は何とも思わないのか!!
ピンク そりゃ、私だって出動するたびに税金泥棒だの子供に悪影響だの言われて腹立ってるわよ。
レッド だろ!?まったく!!助けてもらってんのにヒーローはいらないだなんだのと!!戦ってる間ずっと安全なとこで待ってて終わったらわらわら来てるの知ってんだからな!!
ブルー それに税金泥棒って言われても実際、援助金もロボのメンテナンスにほぼ持ってかれてるし最低限しか支給されてないもんな。
ピンク 私たちもバイト掛け持ちだしねぇ。
レッド それに街を壊すなってやつ!なんなんだよあれ!!
ブルー 俺ら壊してねぇもんな。
ピンク 大体私ら到着したらもう壊れてるし。
レッド ロボ使う時だってちゃんと国に指定されたエリアでやってんのによぉー!
ピンク 説明してもずーっと変わらないわよねぇ。
ブルー 前なんて戦ってるときに水かけられたもんな。
ピンク 怪人ダークマントの時だっけ?
ブルー そ。
レッド あれかけられた後ダークマントに「大丈夫ですか・・・?」って心配されたんだぞ?
ピンク 言われてた言われてた。
ブルー 「今日はやめにしますか?」とか言われてなかったっけ。
レッド 違うよ、場所変えますかって言われたんだよ。
ピンク なんで怪人に気ぃ使われてんのかしらね。
ブルー 味方のはずの市民に罵倒されてんのにな。
レッド あーあ。もういっそのこと怪人側に寝返るか?

沈黙。

レッド ・・・や、さすがに冗談だけど。
ブルー いや。・・・悪い話ではない。
レッド ・・・マジ?
ブルー 実は前々から考えてはいたんだ。収益的に今現在赤字である以上、こうしてやっていくのにも限界がある。いくら正義といえど善意だけで働き続けるのは賢いとは言えない。俺たちだって所詮は人間。人生の持ち時間は同じだ。今はそれをドブに捨てているようなもんだ。非合理すぎる。そもそも正しさなんて時と場合で変わるもんだ、いっそ怪人側についてしまえば代わりのヒーローが結成されるだろうし、そこに我々がちょうどよく均衡を保ち続ければ街の平和を維持しつつまともな生活が送れるんじゃないか?
レッド ・・・お前、天才か?
ブルー まぁ怪人側にこの話を持ち込むすべがないんだがな。
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