鬼武者


  七史(ななし)     四葉(よつは)
  灯 (あかり)     小梅(こうめ)
  加太(かた)      弥勒(みろく)
  君之助(きみのすけ)  葵雉(あおきじ)
  猿飛(さるとび)    戌丸(いぬまる)
  時雨(しぐれ)     貞織(さだおり)
  阿久津(あくつ)

  村人1(むらびと1)  村人2(むらびと2)
  見張1(みはり1)   見張2(みはり2)
  手下1(てした1)   手下2(てした2)
  同心 (どうしん)
  黒装束1(くろしょうぞく1)
  黒装束2(くろしょうぞく2)
  黒装束3(くろしょうぞく3)


  この脚本は、前後上下の二段構成の舞台を想定して書かれている。
  そのため、上下で交互に、もしくは同時に展開されるシーンもある。
  また、兼役も含む。


■■■

  序章

  明転。
  舞台上は薄暗い山の中。
  黒装束が刀を片手に舞台上をせわしなく駆け回る。
  「逃がすな!」「殺せ!」といった声が聞こえる。
  鳴り響く雷鳴。
  七史、黒装束から逃げるように駆け込んでくる。
  刀で黒装束に応戦しつつも、舞台中央手前へ追いつめられる七史。
  なおも抵抗するが、二人の黒装束に同時に襲われ、激しい雷の音とともに斬られる。
  崩れ落ちる七史。
  暗転。

灯   おい、起きねぇぞ? 死んじまったんじゃねぇか?
小梅  縁起でもないこと言わないでください。生きてますよ。ほら、ちゃんと呼吸もしてますし。
弥勒  いたずらしちゃおうよ。
小梅  こら。

  明転。
  舞台上はとある長屋の一室。
  舞台中央に横たわる七史。身体には包帯が巻かれている。
  それにのっかかるようにくっついている弥勒。青年の傍らに看護する小梅。
  枕元には顔に落書きをしようとしている君之介。足元には酒を飲んでいる灯。
  目を覚ます七史。

君之  おや、起きてしまったか。
弥勒  ちぇーつまんなぁい。
小梅  何言ってるんですか。おはよう、気分はどう?

  七史、身体を起こそうとするが、痛みに顔をゆがめる。

小梅  まだ寝てなきゃだめよ。ひどい傷なんだから。
七史  …ここは?

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