平民王女は道無き道を
『平民王女は道無き道を』

推奨キャスト数:9名─18名

登場人物:
・エステル(女)─セントユース王国の第5王女。武器は剣。
・アーネスト(男)─エステルの侍従。武器は剣。
・ジェフリー(男)─ヒース傭兵団所属の剣士。武器は剣。
・マーク(女)─元傭兵の魔道士。武器は魔法の杖。
・エポニーヌ(女)─セントユース王国の第1王女、エステルの異母姉。武器は剣。物語のナレーターも務める。
・フォレット公(男)─セントユース王国の地方領主。武器は魔法の杖。
・国王(男)─セントユース王国の当代国王。傭兵、騎士、兵士との兼役可能。
・王妃(女)─セントユース王国の王妃。傭兵、騎士、兵士との兼役可能。
・傭兵─傭兵団所属の傭兵たち。2名程度推奨。国王、王妃、騎士、兵士との兼役可能。
・騎士─所属不明の謎の騎士たち。3名程度推奨。国王、王妃、傭兵、兵士との兼役可能。
・兵士─フォレット公の私兵たち。3名程度推奨。国王、王妃、傭兵、騎士との兼役可能。
・弟(男)─エポニーヌの弟。声のみの出演。各種役との兼役可能。
・妹(女)─エポニーヌの妹。声のみの出演。各種役との兼役可能。


○セントユース王城・回廊

   王城の長い廊下。本編開始9年前の回想。
   セリフのある2人以外にも、数人の弟妹たちがエポニーヌを追いかけている設定。

エポニーヌ(声)「はあっ、はあっ、はあっ…」

   エポニーヌ、入場し舞台上に立つ。
   スポットライト点灯、エポニーヌを照らす。

妹(声)「いたわ!むこうよ!」
弟(声)「よし、逃がすな!」
エポニーヌ「あ…あ…」
妹(声)「おとなしくしててね、姉上。」
弟(声)「抵抗しても無駄ですよ、姉上。」
エポニーヌ「や…やめて、お願い…ちゃんと、謝るから──」
妹(声)「んー…ごめん、別に姉上が悪いわけじゃないんだけどね。」
エポニーヌ「じゃ、じゃあ──」
妹(声)「でも姉上って、私たちからしたらただの邪魔だし。」
エポニーヌ「え…」
弟(声)「母上が言ってたんです。姉上さえいなければ…僕が国王になれるって。」
エポニーヌ「そ、そんなことの、ために、こんな──」
弟(声)「そんなこと、ですか…余裕でいいですよね、嫡子のお方は。」
エポニーヌ「ね…ねえ待ってよ、あたしたち、同じ家の…きょうだい、でしょう?おかしいわ、こんな風に争うなんて…」
妹(声)「同じ?よく言うよね。なにもかも最初っから持ってるくせに。」
エポニーヌ「え…?」
弟(声)「僕らのことなんてなめ腐ってたんでしょう?しょせん半分平民じゃ、国王なんかになれっこないって。」
エポニーヌ「な…なに言ってる、のよ──」
弟(声)「まだシラを切るおつもりですか?まったく、さすが貴族様は違いますね。」
エポニーヌ「貴族、様…?あんたたち、あたしのこと、そんな──」
妹(声)「もーいいよ、殺しちゃお。」
弟(声)「ああ。では──さようなら、姉上。」
エポニーヌ「や、やめて!来ないで!」

   エポニーヌ、剣を斬りつける動作をする。

弟(声)「ぐっ…」
妹(声)「ああっ…」
エポニーヌ「…はあ…はあ…」
妹(声)「…ほら、やっぱ…そう、なんじゃん。」
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