『スポーツ着る科学』 (From回し読み新聞創作劇)
『スポーツ着る科学』

登場人物
◎コーチ
◎選手


〜〜〜〜〜
▪️バスケの練習をしている。
▪️選手疲れて座る。

コーチ「何休憩してんだよ」
選手「ちょ、コーチ、休憩しましょ」
コーチ「何で、お前まだ2時間だよ」
選手「2時間もやってるんですよ」
コーチ「もっと努力と根性だよ!!」
選手「いや、努力と根性って・・・今時・・・」
コーチ「ほらほら努力ってほら努力するとこうやって・・・ほらボールを回せるように」

▪️ボールを人差し指の上で回す・・・回そうとする。

選手「いや・・・いや、まわせてないっす。今やりたいのこういうやつっすよね。コーチ出来てないっすよね」
コーチ「キャプテン翼の翼も言ってるだろ、ボールは友達って。やればやるほど上手になるんだって」
選手「キャプテン翼のボールはサッカーボールですからね、あの人」
コーチ「まぁ、足か手の違いだよ」
選手「いや、大分違いますよ?!こことここですよ!?」
コーチ「言いたいことは違わねーよ!! ほら、こうやって・・・あ、そうだ、ほらそこに神社があるからさ、うさぎ跳びしようぜ」
選手「コーチ、いいっすか? うさぎ跳びは膝にすごいダメージがあるって科学的に証明されてるんっすよ」
コーチ「でもさ、ほら、膝でこうやってシュートが・・・」
選手「コーチ、いいっすか? 今どきのスポーツってのは、努力と根性だけじゃダメなんです。科学も必要なんです」
コーチ「科学って、何だよ」
選手「例えば」
コーチ「うん」
選手「ビデオ撮影とか、メモで記録したりとか、統計取ったりとか、そういうのしましょうよ」
コーチ「あ〜ビデオ撮影な」
選手「いいでしょ?」
コーチ「確かにな」
選手「それに、あ、これこの前に記事で読んだんですけど」
コーチ「ちょちょちょっと待って」

▪️コーチが椅子を持ってくる。選手の横に座ってメモを取りながら熱心に聴く。

選手「スポーツと科学っていうのはですね、もっと今は進んでまして、
 確か化学繊維メーカーっていうのが京都にあって、そのメーカーがですねこう、
 ユニホームの中に化学繊維を入れるっていうのをやってるんですよ」
コーチ「ほう」
選手「で、そうするとね選手の心拍数だとかストレスの状況とか、あるはスプリントした回数とか全部リアルタイム分かるようになるんです」
コーチ「ほ〜〜〜〜!!!」
選手「そうするとね、こうデータで見てちょっと疲れてるなって選手が分かるから交代させたりとかいう事も出来るし、
 もっと上手くなりたい選手には、データでもっとこういう数値を上げろ!みたいなことを言えるわけです。
 そういったデータを使って管理、、、そう管理っていうのが出来るんですよ」
コーチ「あー管理なぁ、管理ちょっと苦手なんだよなぁ」
選手「いやいや、何言ってんすか」
コーチ「俺、勘で動いてるからな〜」
選手「いや、だからいいですか、今どきは根性、努力、そして科学を組み合わせたデータ管理で勝利を掴んでいくっていうのが今どきのスポーツですよ」
コーチ「あーそうか、管理で勝利か・・・ま、勝利は大事だからな、うんうんうん!!!」

▪️コーチの携帯が鳴る。

コーチ「あ、ちょっとまった・・・ごめん! この電話だけはちょっと出ないとあかん!嫁からかかってきた!」

コーチ「はい!もしもし、はい!・・・はい!・・・あ、もうそんな時間でしかたか、はい!・・・すいません、申し訳ございません!・・・はい、はい、すぐ行きますんで・・・はい・・・はーい、失礼しまーす、すいません本当に申し訳ございませんでした。はい、はい、すぐ行きますんで、はい、はい失礼しまーす」

コーチ「ごめん!嫁からだ。ちょっと子供の迎えにいかなあかんねん、後よろしく頼むわ」
▪️コーチ、走って退場。

選手「あ、おつかれさまでっす・・・。
   ・・・めちゃくちゃ管理されてんじゃん」


おわり
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