あらすじ
郊外の平凡な住宅街に暮らす山下家の家が、年の瀬のある日の未明、火事になって全焼した。家に暮らしていたのは、昔気質な70歳の父親とその妻、そして一度は就職したものの会社に馴染めず、18年間部屋に引きこもってきた長男だった。家を失い茫然と立ち尽くす3人のもとに、離れて暮らす娘がやってくる。火事の原因と長男の引きこもりの責任をめぐってケンカばかりしていた夫婦は、娘に促されて焼け跡から貴重品を探し始めた。燃え残ったわずかな品々から、家族の歴史が思い出される。焼跡の小銭を集めて天丼をとったり、気の弱い保険会社の社員と保証額を巡って交渉をしたりする中で、家族は家に住んでいた頃には見失っていたまとまりを少しずつ取り戻していく。家という入れ物を失ったことにより、逆に家族のつながりを見出した一家の、ささやかな再生の様子を描くほのぼのコメディー。
最近話題になっている中高年の引きこもりと高齢の親世帯の増加という深刻な問題(7040問題or8050問題)を、あえて笑いにしてみました。