あらすじ
20歳、冬。その子に声を掛けられたのは、舞台公演が終わった次の日だった。
曰く、どうもその瞳に映った私は、あんな小劇場の舞台でも
一部の観客に衝撃を与える程には輝いて見えたらしい。
慣れない賛辞に胸が熱くなるのを感じながら、
それを悟られないように私は笑顔を貼り付ける。
「ありがとう、よかったら2人でゆっくり話をしない?」
そう言って私は彼女との約束を取り付けた。
場所は私の家。
霧山透子。彼女が訪ねてくる約束の時間まで、あと30分。
登場人物
佐藤夢加(さとうゆめか) :大学生。舞台役者
霧山透子(きりやまとうこ):大学生。美術専攻
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