真っ暗森の森梟
.真っ暗森の森梟はりとら版
真っ暗森の森梟

          はりとら版
          平成27年12月10日作成
          作 山上祐輝
.登場人物
登場人物

○森梟 オウル/ 狼の住む森の番人
○町娘 フラン/ 森の近くに住む少女

○森狼の主 ブラッド/ 森狼の長
○森狼1 バグ/ 森狼
○森狼2 モス/ 森狼
○森狼3 ネット/ 森狼


○村の青年 ブルー/ 悩み多き村人
○村の老婆 マフィン/ 
○村の村長 ドルト/ 村の代表
○村人   オレンジ/ 
○村の若者 レッド/ 直情的な村の若者


○街の研究者1 エルフィ/ 現代の森の研究者
○街の研究者2 ルルブ/ 現代の森の研究者の助手
○昔から住むジプシー カーミラ/ 森の語り部

.あらすじ
あらすじ

 とある森の調査をしている女性。そこに、ネックレスをつけたジプシーが現れて、森から出るように伝える。ここには恐ろしい森ふくろうが現れるからと。女性を逃がすジプシーは、ネックレスを見つめ、昔を思い出す。オウル、とつぶやいて。
 真っ暗森の門番、オウルは、森の狼たちが村に出ないように見張るのが役目。オウルは、日に二度、食事を届けてくれる町娘のフランとの会話が、唯一の楽しみだった。
 ある日、高熱に苦しむ老婆の話をフランから聞いたオウルは、森のキノコを調合して、解熱薬を作ってフランに渡す。しかし、オウルといえども、森に入ることは危険を伴う。オウルは狼達を払いながら、キノコを手に入れていた。フランから感謝のネックレスを貰う。オウルはそれを大切にする。
 その日から、森には万能薬があるという噂が立つ。そして、森へ入ろうとする人たちが増え始める。オウルはそのことを危惧して、解熱薬を渡すのを辞めてしまう。
 しかし、こっそり入ろうとする村人は後を絶たない。ある日、村の青年を引き留めたオウルだったが、優しいオウルは見逃してくれるよね、と言われ、見逃してしまう。次の日から、青年は帰ってこなかった。
 青年を探して老婆がやってくる。老婆に、青年の行方を尋ねられるが、知らないと嘘をつく。心を痛めるオウルに、フランが優しく声をかける。その夜、森で青年の服の切れ端を見つける。


 ある日、フランはオウルの家にある青年の切れ端を見つける。フランはオウルを責めて、青年を探しに森へ入ろうとする。どうしてもフランを失いたくないオウルは、フランに剣を向け、優しい人でしょ、というフランの言葉に逆らうように、フランの頬を切る。フランはショックで村へ戻る。
 村では、オウルが青年を殺したのではないかと噂が立ち、森にはもっとすごい薬草があって、それを隠しているのだと口々に言い合った。そして、青年の友達と、村長たちが、オウルの討伐に動き出す。オウルは葛藤するが、村人を守るため、フランを守るため、鬼に鳴ることを決め、恐ろしい叫び声を上げる。
 オウルの小屋に襲いかかる村人たち、そして、守るために村人に剣を向けるオウル。そして、青年の友達を庇って、フランはオウルの剣に倒れる。優しい人に戻ってと言って。その後ろから、森狼がやってきて、村人たちを遅いはじめる。
 森狼と戦い、村人を守るために森へ行くオウル。オウルは、村人に、森に入れば森梟がお前たちを襲うと言い遺し、二度と姿を表さなくなる。
 ジプシーは、ネックレスを、石を積んだ誰かの墓に返す。森狼たちにつれられて、森へ帰っていく。
 
.第1場 ジプシーと研究者
第1場 オウルの仕事


とあるヨーロッパの森。
人が入らない、薄暗い世界。
研究者が森を調べながらやってくる。
 
研究者1「はー。ここが、噂のダークフォレストかー。一説には、近くの滅びた村の村人が彷徨ってるとか、恐ろしい魔獣が住んでるとか、変な噂はあるけど、やっぱり人が入らないだけあって、貴重な植物がいっぱいだ。」
 
研究者、付近にキノコを見つける。
 
研究者2「あ、これは!近年では幻とされるエルフマッシュルーム。解熱薬や鎮痛剤に優れた効果を発揮するという、幻のキノコ!やっぱりこの森にはあったんだ。」
 
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