百物語に影が寄る
『百物語に影が寄る』

登場人物

墨田(すみだ)……百物語を企画した女子高生。
皿敷(さらしき)……女子高生。適当な面が目立つ。
露原(つゆはら)……女子高生。怪談の内容が怖くない。
四谷(よつや)……女子高生。怪談好き。



露原「……じゃあ、今度は私の番ね?」

 明転。女子高生が四人、お菓子などを持ち寄って座っている。
 どうやら怪談をしているらしく、空間の雰囲気も薄暗い。

露原「これは、私の友達から聞いた話なんだけど」
墨田「うん」
露原「あのね……その日、友達は休みで、一日中ごろごろしながら携帯見てたんだって。
   ユーチューブの動画。怖い話とか心霊映像とか、そういうのばっかり。
   そしたら突然、画面の動きがゆっくりになって、止まっちゃったんだって。
   ちょうど、心霊映像の、女の人のアップの時に。フッて気が付くと、もう夕方で、部屋は真っ暗で」
四谷「……それで?」
露原「うん。その子ね……ワイファイに繋ぐの忘れてて……
   通信制限がかかっちゃったんだって……まだ月始めだったのに……」
墨田「……」
皿敷「……こわぁ〜」
四谷「えっ、どこが?」
皿敷「怖くない? 通信制限だよ? 月始めだよ?」
墨田「いやいや。ねぇ露原?」
露原「何?」
墨田「今日の集まりって何だっけ」
露原「お菓子を食べてガールズトーク?」
墨田「惜しいなー! いや惜しくないなー! いい? 仮にもさ、百物語、やってんだよね?」
皿敷「そうだっけ?」
墨田「適当かよ」
皿敷「まぁ」
露原「で? 何?」
墨田「さっきので何話目だっけ?」
露原「九十八話目」
墨田「よくあんな内容でここまでやったな!」
皿敷「だって」
露原「ねぇ」
皿敷「まだお菓子あるし」
墨田「惰性か!」
露原「うわぁ!」
四谷「どうしたの?」
露原「クッキーがもうない! 私そんなに食べてないのに!」
皿敷「こわぁ〜」
墨田「そりゃ食べたらなくなるよね!」
皿敷「今の九十九話目?」
墨田「適当すぎない?」
皿敷「っていうかさ、何で怪談?」
墨田「それはほら、夏といえば怪談じゃん?」
露原「あと百物語って何?」
墨田「それは……あれよ、ほら」
四谷「順番に怖い話をしていくの。百個目が終わったら、本物のオバケが出るって言われてる」
墨田「そう。それよ、それ」
皿敷「さては知らなかったな」
露原「ごまかしたね」
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