老メロス最期の告白

『老メロス最期の告白』

配役
老メロス
メロスの娘
メロスの孫(男の子)
使者

メロス(若い頃・幼い頃)
ディオニス王
セリヌンティウス(若い頃・幼い頃)

メロスの妹
少女
老爺
山賊A・B
村人たち
民衆の声

  メロスの宮殿・床の間
  「走れ?!」
  遠くから声。繰り返し聞こえてくる。
  「走るんだ!」
  群唱のように、波打って、徐々に激しく
  押し寄せてくる。
老メロス「う、うう…(うなされている)」

メロスの孫(声)「遥か昔々のお話です。こ
こはギリシャのとある宮殿。ボクのお祖父
ちゃんはかつて英雄とか勇者とか言われた
んだそうです。でも今は歳をとって、明日
をも知れぬ、ベッドの上。お祖父ちゃんの
話しはいつも同じ、でもいつもちょっと、
違った」

老メロス「ワシはもう走れぬ! 走れぬの
だ!…あ!」
メロスの娘「あ、お目覚めになった。お父
 様! また夢をご覧になってたのね?」
老メロス「あ、嗚呼…何という恥だったのだ
 ろう」
メロスの孫「また始まるよ、メロスお祖父ち
 ゃんの自慢話が。お母さん」
メロスの娘「お祖父様は英雄だったのです
 よ」
老メロス「ばか者! 何が英雄だ! ワシは
 ただの愚か者だったのだ」

  幻聴(エコ―)。刑場の広場。
  「帰ってきた?」
  「帰ってきた!」
  「メロスが帰ってきた!」
  群衆のざわめき…。

老メロス「……窓を、窓を閉めてくれ。あの
 民衆の声はワシにはたまらぬ!」
メロスの娘「窓は閉まっておりますよ。お父
 様」
老メロス「あ! ……ワシはもう走れぬ。歩
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