空き巣注意報
空き巣注意報


人物

チカコ    
ミエ     
ケンジ



        真っ暗な舞台上。SE・インターホン。間をおいてもう一度鳴る。沈黙。

チカコ  (声のみ)「いらっしゃいませんかー。お留守ですかー。お留守ですねー。よっしゃ!」

        SE・ガチャガチャと鍵を開ける音。
        やがて暗闇の中チカコが登場。

チカコ  「暗いとわかりにくいな・・・」

       チカコ、電気をつける。舞台上が明るくなる。舞台はとあるアパートの一室。

チカコ  「よし、進入成功!あの程度の鍵、私のピッキングスキルにかかればちょろい
もんだわ。私のリサーチが確かなら、この家の住人は今日はあと2時間は帰ってこないは
ず。今のうちに仕事を済ませますか」

        千賀子は室内を物色する。無造作に置いてある財布を発見する。

チカコ  「お?これは・・・おお!結構入ってるじゃん。こんな簡単にお金が手に入るなんてやっぱ空き巣ってコスパいいわー。さて、ほかに金目のものあるかな?」

       SE・チャイムの音

チカコ  「え?」
ミエ   「あれ?なんだ、鍵あいてるじゃない」
チカコ  「え?え?」

       ミエ、登場

ミエ   「ケンジ、近くまできたから寄ったんだけど・・・え?」
チカコ  「あ・・・」
ミエ   「・・・だれ?」
チカコ  「いや、その・・・」
ミエ   「あなた!」
チカコ  「ごめんなさい!」
ミエ   「ケンジの浮気相手ね?」
チカコ  「え?」
ミエ   「やっぱり、やっぱりいたのね。どうもおかしいと思ってたのよ・・・あんたが私たちの邪魔をしてたのね?この、泥棒猫!」
チカコ  「あ、あの、ちょっと待ってください」
ミエ   「なによ?あんたは泥棒猫でしょ?」
チカコ  「まあ、若干当たってるんですけど」
ミエ   「認めたわね?」
チカコ  「いえ、ちょっと、誤解が・・・」
ミエ   「は?誤解?あんた浮気相手じゃないっていうの?浮気相手じゃないならなんなのよ?」
チカコ  「それは・・・」
ミエ   「それは?」
チカコ  「誤解は・・・ありません!私は、浮気相手です!」
ミエ   「やっぱり」
チカコ  「じゃあそういうわけでご機嫌よう」
ミエ   「待ちなさい」
チカコ  「え?」
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