あらすじ
いつものどかな商店街はこの日、これまでにない程の賑わいを見せていた。先日行われた陸上競技会で名誉な成績を残し、国際大会への出場が決まった井坂智則選手を祝うパレードが行われるところだったのだ。今や宮岸聖子キャスターのニュース番組をはじめ、取り上げられない日はないほどのスーパーヒーロー。地元では老若男女が一丸となって大いに盛り上がり、雲一つない澄み切った青空もそれを祝福しているようだった。
近くのビルの建設にあたっていた大工の村井正と鵜川省吾は、誰よりも見晴らしの良い位置でパレードを眺めることが出来ていた。あまり乗り気ではない村井ではあったが、鵜川と共に建設中のビルの柵を掴んでいる。
その頃、的場茂・大槻信司の警察コンビはわざわざ休暇をとって、混雑する人の波の中でパレードを見物していた。その中には、麻薬密売人の小林由美の仲間、倉西誠の姿も見える。一方の小林由美は仕事を終えた矢先、突然井坂の警護に抜擢されてしまう。
賑やかなパレードが過ぎれば、またもとののどかな町が戻ってくる―はずが、一発の銃声ととてつもない轟音が響く時、のどかな町は一瞬にして恐怖と絶望の地獄へと一変する。
「僕安全なところを見つけたんです。良かったら一緒に行きませんか?」
「俺にも責任があるんだ。」
垣間見える過去、それぞれの思惑、そして10年前の事件…全ての鍵となる5人が再び集う時、事件の歯車は急速に廻り始める!!
パレードに潜む陰謀とは?この災厄を招いた犯人は?果たして事件の真相に辿りつく事は出来るのか!?自衛隊の救助が来るまで一時間―。