勇者ノエルの華麗なる冒険
『勇者ノエルの華麗なる冒険』
 
  上演人数の目安:15(兵士3人、ナレーターを他のキャストが兼任で演じた場合)-18人(兵士5人、ナレーター専属のキャストを設けた場合)
 
  ・ノエル:魔王から国を救うべく選ばれた勇者。武器は剣。
  ・アシュレイ(男):勇者と共に戦う魔道士。武器は杖。
  ・ジュリエット(女):勇者と共に戦う巫女。武器は魔道書。
  ・セレン(男):ジュリエットの魔道書。
  ・エレオノーラ(女):国家征服を企む魔王。武器は杖。
  ・ロバート(男):エレオノーラの側近。武器は剣。
  ・ジャック(男):エレオノーラの執事。武器は銃。
  ・バートランド(男):フォルトレア王国国王。武器は剣。
  ・側近:バートランドの側近。
  ・青年(男):旅立ち街道の付近に住む青年。
  ・したっぱ(女):魔王軍のしたっぱ。青年の恋人に化けている。
  ・兵士:無限平原や災いの森に現れる、魔王軍の兵士。3-5人程度を推奨。
  ・呪術師:災いの森を守る呪術師。魔王軍に仕える。武器は魔道書。
  ・ナレーター:ナレーター。
 
  ◯フォルトレア城・謁見の間
 
     絢爛豪華な装飾が施された、謁見の間。中央には王座が置かれている。
     王座にバートランドが座り、その横に側近が控える。
 
  ナレーター(声)「むかしむかしあるところに、フォルトレア王国という大きな国がありました。平和で豊かなフォルトレアでは、人々が幸せに暮らしていました。
  ですがある日、その幸せを脅かす魔王が現れたのです。国を乗っ取ろうと企んだ魔王は、フォルトレアの大事な宝『王者の真珠』を奪ってしまいました。
  嘆き悲しんだフォルトレアの王様は、魔王を倒して『王者の真珠』を取り戻せる、勇者を探していました---」
 
     明転。アシュレイ、入場。
 
  アシュレイ「バートランド国王陛下、この度はお会いできて光栄です。アシュレイと申します。」
  バートランド「まあ、そう堅苦しゅうせんでもよい。ここに招いたのは余であるからな。」
  アシュレイ「寛大なお言葉に感謝いたします、では---陛下。本日は、どのようなご用件で僕をここに?」
  バートランド「知っての通り、フォルトレアは国家滅亡の危機に瀕しておる。」
  アシュレイ「魔王エレオノーラ…それほどまでに強大な相手なのですね。」
  バートランド「うむ。あやつ自身の実力も確かなものじゃが、それ以上に恐ろしいのはあやつが持ち出した…『王者の真珠』じゃ。悪しき心を持つものには、決してあれを使われてはならぬ。
  そこでじゃ!国内随一の魔道士であるそなたに、折り入って頼みがある。」
  アシュレイ「はい。」
  バートランド「フォルトレアのため、ひいては世界のため…魔王を倒し、『王者の真珠』を取り戻してほしいのじゃ!」
  アシュレイ「えっ!ぼ、僕が…魔王を、ですか?」
  バートランド「おっと、安心したまえ!無論1人では行かせたりなどせぬぞ。他にも頼もしい者たちを集めておる。実を言うと、そなたが最後の1人なのじゃ。」
  アシュレイ「ああ、そうなんですか…。なら、お引き受けいたします。国のお役に立てればなによりですから。」
  バートランド「うむ、そなたの熱意に感謝するぞ!では、さっそく旅の仲間を紹介するとしよう。入りたまえ。」
 
     ジュリエット、セレン、入場。
 
  ジュリエット「まあ、あなたが陛下のおっしゃっていた魔道士さんなのですね。初めまして、ジュリエットと申します。」
  アシュレイ「アシュレイだよ。よろしく。」
  バートランド「彼女は、国教会からの推薦を受けて派遣されてきている。優秀な巫女じゃ。」
  アシュレイ「国教会から?すごいんだね!」
  ジュリエット「うふふ、ノエルさんに比べれば大したことはありませんよ。」
  アシュレイ「ノエルさん…?」
  ジュリエット「この旅のリーダーを務められる方---勇者様ですよ。」
  アシュレイ「勇者か…どんな人なんだろう。きっとかっこいいんだろうなあ…。」
  セレン「サア、どうだかナ。」
  アシュレイ「うわっ!?本が喋った?」
  ジュリエット「ああ、驚かしてしまってすみません。この子はセレン。わたしの魔道書です。」
  セレン「よろしくナ、ぼっちゃん。」
  アシュレイ「ぼっちゃんって…僕子供じゃないし。」
  セレン「なーに言ってんダ、俺から見りゃ赤ん坊みたいなモンヨ。」
1/14

面白いと思ったら、続きは全文ダウンロードで!
御利用機種 Windows Macintosh E-mail
E-mail送付希望の方は、アドレス御記入ください。

ホーム