時をかける少女
○オープニング

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ゆっくりと開くと中に一人の男性がこちらを向き座っている。照明が背後からあたっている。

ナレーター「享和三年といいますから1803年、今から約二百年ほど前のことです。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

○プロローグ

満天の星空、時は1972年10月8日明け方

ニュースの声「・・今夜未明、ジャコビニ大流星雨が日本の夜空を覆いつくします。この流星雨は十三年周期で現れますが、今年は、母すい星の軌道と地球の軌道が完全に交差する年で、日本では一番条件が良く観測され、まるで雨が降り注ぐように・・・」

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和子が空を見上げている。隣に吾郎がカメラをもって立っている。

和子「本当にこっちであってるの?吾郎ちゃん。」
吾郎「西の空って言ってたからなぁ。」
和子「見えないわねぇ。」
吾郎「ニュースの話じゃ、雨みたいに降り注ぐって言ってたけど。」
和子「絶対見なきゃね、吾郎ちゃん。」
吾郎「当たり前だ。」

舞台奥より一夫が上ってくる。

一夫「北西の空、水平線近くを見なきゃだめだよ。」
和子「あら、深町君。そうなの?」
一夫「最初は水平線近くに見えて、次第に天空に広がるはずだよ。」

和子はゆっくりと天体望遠鏡をのぞいている。

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○第一景 理科実験室

十月十五日(土曜日)の放課後。
高校の理科教室(シンプルな椅子と箱状の机)上手、下手に教室の扉。
ピアノでショパンのポロネーズが聞こえている。教室の扉の開け閉めの音が聞こえるが誰もいない。
高校三年の深町一夫、浅倉吾郎、芳山和子が理科教室の掃除を終えていた。

和子「もういいわ、ごみは私が捨ててくるから、あなたたち、手を洗ってらっしゃい。」
吾郎「そうかい、すまないなあ。」

吾郎と、一夫は上手ドアを抜けて花道の洗面所に移動。
和子は舞台中央で最後の片づけをしている。

吾郎「和子ちゃんは、やさしくてかわいいけど、少し母性愛過多じゃないかな。」
一夫「ふうん、どうして。」
吾郎「だって、そう思わないか。まるで僕たちを赤ん坊みたいに思ってるよ。手を洗ってらしゃいだとさ。」
一夫「そうかな。」
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一夫「さぁ、芳山君、もう出てきてもいいよ。君がさっきからそこに隠れていることぐらいちゃんと知っているんだから。」
和子「え?あの声は・・・・まさか・・・・」

和子は衝立の影からゆっくりと姿を出す。
和子をじっと見ている少年は深町一夫である。
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