一年生
「一年生」
                            作 菅原 悠人
 
 
  登場人物
   ・先生 
   ・佐藤 学(サトウ マナブ)
   ・小林 夏帆(コバヤシ カホ)
   ・寝太郎(ネタロウ)       
 
 
  とある小学一年生の教室での出来事。教室内にいるのは四人、一人が担任の先生で、残りの三人は生徒。一人目は頭の良さそうな生徒で、二人目は元気な生徒、三人目の生徒は机につっぷして寝ている。一見問題なさそうに見えるが、そこには見てすぐに分かる問題がある。生徒が明らかに小学一年生の見た目ではない。先生は黒板の前に立っており、三人の生徒は先生を前にして自分の机に座っている。
  先生がため息を深くつく
 
  先生 はぁ・・・。
  夏帆 先生ため息してどうしたの?
  先生 いや、それがな・・・。
 
   先生が話そうとすると、メガネをかけた頭の良さそうな生徒が勢い良く手を挙げ席を立つ。
 
  佐藤 先生、僕の調べでは、ため息という行為は腹式呼吸により肺を大きく動かし自律神経活動を整え、ストレスを軽減させると科学的に証明されています。従って、先生はため息を多用するべきと考えます。以上です。
 
   佐藤が話し終わり勢い良く席に座る。
 
  先生 あー、なんかありがとな。
  佐藤 いえ、当然のことを言っただけです。
  夏帆 へ〜メガネ君って本当に頭良いんだ。
  佐藤 メガネ君とは失礼な、僕には両親がつけてくれた佐藤学って名前があるんです。
  先生 君そんな名前だったのか。
  夏帆 先生覚えてなかったの?じゃあ私は?
  先生 ・・・私からみたら私は私、あなたからみたらあなたは私、私はあなたであなたは私、youはmeであり、又はmeはyouでもあるわけだ。
  夏帆 先生うるさい。
  先生 すまん、
  夏帆 まあ、許してやるよ。私は小林夏帆だよ。覚えてるよね?
  先生 そうか・・・。実は君たちに話さなきゃならないことがあるんだ。
  夏帆 なに?
  先生 先生な、自分の目に信じられない物が写っているんだ。
 
   夏帆は立ち上がる。後ろを振り向く。
 
  夏帆 全裸のおっさん!?
  先生 それは確かに信じられないが違う。
 
  先生は意を決し自分が思っていることを話す。
 
  先生 君たち本当に小学一年生か?
  佐藤 先生
 
   佐藤は先生の近くに行って話す。
 
  佐藤 僕は正真正銘の七歳です。
  先生 いやそんな訳・・・。
 
   先生が話そうとするのを遮り。
 
  佐藤 先生、そういう設定です。諦めてください。
  先生 なんだよ設定って。
  夏帆 因みに私は六歳・・・の設定。
  先生 だからその設定って・・・。
 
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