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Elegy of assassin

Elegy of assassin
(エレジー　オブ　アサシン)

登場人物

ジャック＝ダニエル...裏世界を震撼させた、投げナイフを武器とする殺し屋。鈴音との出会いをきっかけに裏稼業から身を引く。

鈴音(すずね)...ジャックの妻。

ドクトル山崎...精神科医で私立探偵を名乗る怪しげな紳士。

シャンディ...山崎の助手。しっかり者。

ジョニー＝ウォーカー...暗黒街で名を馳せるギャングのボス。

ハイラム＝ウォーカー...ジョニーの弟。

カリル＝ウォーカー...ジョニーとハイラムの妹。

ティア＝コネル...酒場の女主人。裏の顔は紹介屋で、ジャックの相棒。

第一場

　　　上手に箱のある平舞台に夜の照明。ドクトル山崎が下手から登場。右肩を押さえている。
　　　山崎は中央に来たところで立ち止まり、観客に語りかける。

山崎　　...「数奇な運命」という言葉がありますが、僕の好きな言葉ではありません。
　　　人は誰でも生まれながらにして、数奇な運命が約束されているのですから、言
　　　葉にするのは無意味なことでしょう。

　　　山崎、右肩を強く押さえて僅かにうめく。

山崎　　...僕のこれまでの人生も、御多分に漏れず数奇な運命でした。ただ、それを敢
　　　えて人様にお聞かせするような趣味は無いし、時間的身体的にもあまり余裕は
　　　持ち合わせていないのですが...

　　　山崎、深く息をつく。

山崎　　...聞いてほしい。いや、話してみたい。初めて、そんな気分になりました。僕
　　　のしたことは、裁かれるべきなのか？裁かれるとしたら、誰に？話してもきっ
　　　と、答えは出ないのでしょうけれど。

　　　山崎、上手の箱に歩み寄り、腰掛ける。

山崎　　...運命はあの日、その足で歩いてきました。僕が仕事場で、ちょうどこうして
　　　　座っているときに...

　　　転換。座っている山崎はそのままに、机と椅子とベッドが配置される。
　　　室内明かりがついて、ノックの音。顔を上げる山崎。シャンディが入ってくる。

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