名残の唄
(2022年版)
『 名残の唄 』 2022年版

  [登場人物・女性2名]

   鞠奈
   八重

   幕が開く。
   舞台は鞠奈と八重の部屋。
   ベッドが2つ。そのほか、机など生活感のある物を置ければなお良い。
   空間は敷物や家具、照明等を用い、部屋として制限する。
   ベッドに寝転んで雑誌を見ている鞠奈。
   そこへ風呂上がりの八重がやってくる。

八重 あいたよ。
鞠奈 んー。

   八重、頭にタオルをのせ、ぼーっと窓の外を見ている。

鞠奈 外に何かいるの?
八重 いや、別に。

   鞠奈、ベッドに置いていたタオルとパジャマを手に取って出ていこうとするが、

鞠奈 あのさ。
八重 ?
鞠奈 何かあるなら話聞くから。
八重 ……どうも。

   鞠奈、出ていくがすぐ戻ってきて、

鞠奈 座って。
八重 え、
鞠奈 座りなさい。
八重 お風呂は
鞠奈 いいから。

   鞠奈、八重をベッド(八重の)に座らせる。
   鞠奈は自分のベッドに座り、向き合って話す。

鞠奈 うちら、一応姉妹なんだよ。
八重 うん。
鞠奈 もう半年になる。
八重 5ヵ月。
鞠奈 ……そろそろさ、腹割って話してもいいと思うの。
八重 じゃあ、腹筋しないと。
鞠奈 ……。
八重 腹を割るって。
鞠奈 あぁ、そういうことか。
八重(つまらなそうな顔)
鞠奈 またその顔。
八重 だって。
鞠奈 わかりにくいのよあんたのボケは。
八重 八重。
鞠奈 え?
八重 あんたじゃない。
鞠奈 ……で? 八重。
八重 はい。
鞠奈 どうしたの。
八重(両頬を膨らませる)
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