プレゼント

「プレゼント」
                作 菅原悠人

ベンチに座っている男
女、上手から

女 こんにちは
男 ……どうも
女 隣座ってもいいですか?
男 他にも空いてる場所ありますよね?
女 ここがいいんです、
男 ……どうぞ
女 ありがとうございます

 無言

女 あの、なんでここにいるんですか?
男 はぁ?
女 あなたは、なんでここにいるんですか?
男 なんで見ず知らずのお前に言わないといけないんだよ
女 ちょっと気になって、聞いたらまずかったですか?
男 ただの気分転換だよ
女 ふぅーん
男 ……そういうお前は
女 はい?
男 ここに来た理由
女 なんで見ず知らずのお前に言わないといけないんだよ
男 はぁ!?
女 冗談です、大した理由はありません、ただ……人に会いに来たんです
男 そうか、で会えたのか?
女 うーん、まあ
男 曖昧な返事だな
女 そんなことないですよ
男 まぁいいや、俺帰るから
女 え!?帰るんですか!?
男 そりゃ帰るだろ、じゃあな

男、下手にはけようとする

女 あの!少しだけお話ししませんか?
男 お話?
女 はい!
男 なんで?
女 なんで?いや、なんでって言われてもな。適当な理由探すの難しいな
男 聞こえてるぞ
女 あ!そうだ!私すっっごい暇なんですよ!ですのでお話しましょ?
男 考えてそれかよ
女 お願いします!少しでいいので!
男 ……なんか怪しいな
女 怪しくないですよ、純粋無垢です!
男 自分で言うなよ
女 だって本当のことですもん
男 お前あれだろ、押し売りだろ
女 はい?
男 俺は水も新聞もいらないからな
女 あの、頭大丈夫ですか?
男 なにが
女 なんか、意味が分からないこと言ってたので
男 大丈夫だよ、押し売りじゃないならなんだよ
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