あらすじ
言ってしまえばそれは『眠りが深くなる』という病だった。
彼女が一度微睡みに沈んでしまうとまず数分で呼吸が止まる。次に心臓。
徐々に脳の機能が眠るように停止し、そうなれば目覚める事は二度と無い。
なんて事は無い、一度眠れば死に至るただそれだけの病。
唯一残された生きる手段は、シンプルなものだった。
ただひたすら起き続ける。
彼女は眠らない。現代医療の力に頼り、意識を覚醒させ続ける。
何時間も、何日も、何週間も、何ヶ月も。治療法が見つかるまで。
そうして3年が過ぎた。その生活にも、もう限界が迫っていた。
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