SecondWish



【 1 】



 オルゴールの音楽。
 夜空には天の川が流れている。
 丘の上の大きな木の上で、幼少期の涼が泣いている。

 そこへ、ホタルがやって来る。

ホタル「悲しいの?」

 涼、頷く。

ホタル「何があったのか、話してごらん」

涼「(泣きながら)しら、な…ひとと、口きいちゃ、いけな、て、おかあさんが」

ホタル「もう口きいてるよ」

涼「! うわぁああんごめんなさいおかあさぁあん」

ホタル「で、どうして泣いてるの?」

涼「(泣きながら)おとう、さん、と、お、かあ、さんは…。ぼくの、ことなん…か、キライなん、だ」

ホタル「どうしてそう思うの?」

涼「ぼくの、こと、もう帰って来なくていいって、おうちに入れてくれないんだ。うわぁあああん」

ホタル「なんでそう言われたの?」

涼「わかんない」

ホタル「そう…」

涼「………。遅くまで、遊んでて…、約束の時間、守らなかったから」

ホタル「そう」

涼「でも、ぼく謝ったんだよ! でも、お父さんとお母さんは…うえええ〜」

ホタル「それで、ここまで来たの?」

 涼、泣きながら頷く。

ホタル「お父さんとお母さんは、キミのこと嫌いじゃないよ。キミが約束を破ったから、叱っただけなんだ。それは分かるよね?」

涼「でも、でも…ちゃんと、謝ったのに…」

ホタル「言葉で謝るのは簡単なんだ。お父さんとお母さんは大人だから、それがよく分かっている。
本当に、悪いことをしたって思ってる?」

 涼、頷く。

ホタル「じゃあ、おうちに帰ろう。キミのお父さんとお母さんは、今頃、必死になってキミのことを捜しているよ」

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