Up To You!
  Up To You!
   
 ★キャスト

   萌         さやか
   裕子        弘明 
   海都        神様 
   ハル        不良①
   ユーキ       不良②
             不良③


    (二人の少女が、単サスに照らされている。) 

裕子 :私は抜け出せずにいた。真っ暗な闇の底から。
萌  :私は幸せだった。あたたかい光に包まれて。
裕子 :必死に叫んでも、誰も聞いてくれない。
萌  :毎日涙が出るくらい笑いあった。
裕子 :必死にもがいても、誰も助けてくれない。
萌  :そんな日が永遠に続いてくって思ってたのに・・・。
裕子 :どうして私だけがこんな目にあうの?
萌  :どうして私なの?どうして私が死ななきゃいけないのかな。
裕子 :もう・・・死んじゃいたい。
萌  :もっと生きたい。死にたくないよ!
二人 :どうしてなの?ねえ、誰か答えて!!

   (単サスが消え、後ろの台組みが照らされる。)

神  :二人の少女の声が聞こえる。己の命に疑問を持つ者の悲鳴が・・・。ふむ、どうしたものか・・・。
   (杖を鳴らす。二人の天使が出てくる。)
ハル :はいは〜い?神様、呼びました〜?
ユーキ:何だよ。クソ忙しいってのに。
ハル :ユーキ!また神様にそんな口のきき方して。
ユーキ:うるせーんだよ。俺はハルみたいないい子ぶりっ子じゃねえからな。
ハル :なんだと?
ユーキ:なんだよ。やるのか?
神  :まあ、落ち着きなさい。ユーキ、お前は相変わらずのようじゃのう。
ユーキ:わりいかよ。
神  :ふぉっふぉっふぉっ・・・。お前たちを呼んだのは他でもない。時期がやって来たからじゃ。
ハル :一人前の天使になるための試験ですね?
神  :うむ。普段ならばこの天界で行うんじゃが・・・。
ハル :違うんですか?
神  :お前たちは天界一の問題児じゃ。今回は特別な形をとろうと思う。
二人 :特別?
神  :今、人間界から二人の少女の声が聞こえた。名前は裕子と萌。ユーキ、お前は裕子のところへ、ハル、お前は萌のところへ行き、それぞれの少女を幸せにして来るのじゃ。
ハル :ええっ?そんなの無理ですよ。ただでさえ、ドジばっかりで仕事もろくにできないのに・・・。
ユーキ:俺はパス。別に試験なんて受けたくねえし。
神  :試験に合格しない限り、天界には戻らせん。
ユーキ:きったねえ!無理にでもやらせる気だな!
ハル :・・・もう戻ってこられないかも。
神  :さあ、試験は始まっておる。行ってくるのじゃ!!
   (思いっきりまぶしくなった後、暗転)

   (学校の帰り道)
萌、さやか:あはははは・・・!!
弘明 :そんなに笑うなよ。うわ、マジヘコむし。
海都 :馬鹿じゃねーの?普通カバンを電車に忘れてくるかよ。
さやか:漫画じゃないんだから、ねえ。
弘明 :いや、本気で慌てててさ。あ〜あ、あのカバン高かったのに・・・。
   (かなりオーバーに)くそっ、もったいないことしたなあ!
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