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鬼と女子は紙一重

☆箱の上に立つ鬼。その脇に女Ａ
　　　
鬼　おい、人間。お前、鬼になりたいとな？
A　（頷く）
鬼　盗みを犯したのか。友を裏切ったのか。子をめたのか。まあ、理由などどうでもよ
　　い。私は鬼になりたいものを鬼にするのみ。
A 　おい、鬼よ。本当に私を鬼にすることができるのか？
鬼　・・・・おいおいおいおい、おかしくね？
A　はい？
鬼　はい？じゃないよ。普通、鬼って呼ぶ？私はいいよ。鬼だもん。そりゃお前のことを
　　人間って呼ぶよ。それはなんていうの？鬼ってそういう生き物じゃない。でも、お前
　　は違うでしょ？私にお願いしにきたわけでしょ？なに？私のことを倒しにきたの？そ
　　れなら分かるよ。でも違うじゃん。
A 　鬼、うぜ〜
鬼　なに？聴こえてるよ。鬼、うぜ〜。それはなに？鬼がうざいってこと？それとも、も
　　のすごくうざいってこと？それとも２つの意味がかかってるってこと？
A 　２つの意味がかかってるってことです。
鬼　答えなくていいよ。お前さ、鬼になりたいんでしょ？
A 　はい、なりたいです。
鬼　ということはさ、私の後輩になるってことだよ。分かる？
A 　はい。
鬼　じゃあさ、先輩に向かって鬼って呼ぶのはおかしいよね。
A 　・・・はい。
鬼　あ、私、別に怒ってるわけじゃないんだよ。それは勘違いしないでね。
A 　（泣きそうになる）
鬼　ちょっと、なに？泣くの？やめてよ。私が悪者みたいじゃん。私が悪いの？違うよ
　　ね？
A 　はい、違います。
鬼　もう勘弁してよね。
A 　・・・
鬼　泣かないでよ。・・・・もう、一回だけだよ。（ツノを外して）ヒューーーン。ロケ
　　ット。
A 　？
鬼　面白いでしょ？
A 　・・はい
鬼　もう泣かない？
A 　はい
鬼　よかった。わたし、女の涙に弱いのよね。
A 　あの、鬼じゃなくて先輩って呼んだ方がよろしいのですか？
鬼　うーん、先輩かぁ。それでもいいけど、それだと他の先輩とごっちゃになっちゃうよ
　　ね。
A 　じゃあ、鬼さんって呼べばいいのでしょうか？
鬼　鬼さんか。言いにくくない？
A 　少し。
鬼　おにいさんはどう？
A 　おにいさん？
鬼　なになになに？ダメなの？自分でこう呼んでって提案したらダメなの？。
A 　すいません。
鬼　ちょっと謝らないでってば。私が悪者みたいじゃない。
A 　・・・
鬼　呼んでみて
A 　え？
鬼　おにいさんって
A 　おにいさん
鬼　はい！
A 　・・・おにいさん
鬼　はい！
A 　おにいさん
鬼　はい！
A 　にいさん

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