花火のあとに
いちき串木野市立串木野中学校
平成二十五年度県中学校演劇フェスティバル出品作品
創作脚本  顧問作品  中村一則  作
「花火のあとに」(第?C稿)
〈キャスト〉
あかね
さとみ
正一
児島巡査
星の子1(としえ)
星の子2
あかねの母(としえ)
スケバン(みき)
ガリ勉(あきお)
幽霊1
幽霊2

〈スタッフ〉

プロローグ 嵐の夜
雷鳴が轟く。
  オープニングテーマが力強く流れる。舞台後方に台。その上に、制服姿の少年が立っている。裸足である。
  オルゴールの音楽に変わる。
  舞台両袖から、星の子1、2が現れる。
星の子1  赤い目玉のサソリから、広げた鷲の翼をわたり
星の子2  光の蛇のとぐろを巻いて、小熊の額の真上まで
星の子1  照島のお宮の御使い
星の子2  お空の星を巡りながら
星の子12  露と霜とを落とします。風と波とを鎮めます。
  正一の側にやってきて、
星の子1  お兄ちゃん、私のおうち、知らない?
星の子2  私たち帰り道がわからないの。
正一   お前たちの帰り道?
星の子12  お宮のお使いから帰ったら、お家へ帰る道がわからないの。
正一   おまえたち。もしや、現世に命が在っとか。
星の子12  私たち、帰り道がわからないの(泣き出す)
正一   お、おい。
星の子たち、泣きながら走り回る。さらに吹き荒れる嵐。波が叩き付ける音。雷鳴が、強く轟き、静寂
  暗転
場面1 花火のあと
  高台、あるいは岡の中腹
  舞台隅に小さい祠、花火を眺める数人の人たち
  花火があがり、拍手と歓声が沸き上がる。浴衣姿のあかねもその中に立ち、一緒に花火見物をしているが、周囲の様子が気になり花火の合間に、人待ち顔に辺りを見回す。
 
アナウンス  「これをもちまして、夏の夜大花火、前半の部を終了致します。夏祭りのフィナーレをかざる大花火、後半の部は一時間後です。それまで、しばし、夏祭りの各イベントをお楽しみください。」
  花火の前半の部の終了のアナウンスが響き、人ごみが去っていく。(下手へ)
  その場にあかねだけが残される。一人たたずむあかね。
  花火の光が一閃。ぱあんと乾いた音がする。
さとみ   へへっ。おどろいた?あかね。花火、持ってきたんだ。小さいけどきれいでしょ。
あかね   びっくりした。もう、さとみったら。遅いよー。
さとみ   ごめん、ごめん。出がけにちょっと取り込んじゃってね。
あかね   取り込み?
さとみ   うん…まあ。ねえ。花火、きれいだった?
あかね   きれいだった。今年はとくに豪華だった。
さとみ   残念!見損なっちゃったなあ
あかね   大丈夫。まだ、後半の部もあるし…
さとみ   そうか、そうだね。あ、そうだ!さっき武田と会ったよ。
あかね   あ、あたしも会った。
あかね・さとみ 肝試し、絶対来いよ。って(2人楽しげに笑う)
あかね   どうする?集合場所、すぐそこの祠(ほこら)のところでしょ。
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