その他
(初演イントロより)
「過去を振り返るとき、人はいつでもすべては決定されていたのだという──おそらくは誤った──印象を抱くのだ」
フランスの現代作家ミシェル・ウエルベック の小説「素粒子」の一説です。
よく、過去はどうやっても変えられないとか、過去は振り返るなとか言われていますね。
けれど、もう会えない故人のことを考えることは、過去を振り返ることであり、
その別れを決定されていた運命と受け入れられる人はそう多くはないんじゃないでしょうか。
人生は選択の連続です。例えば、何かをした明日としなかった明日に分かれる。
明日は本当は今日の二日分の可能性があるということですね。
つまりもう1人の自分がいたかもしれないという可能性。
ということは、どこかの時間に、たくさんの存在しなかった自分が存在する。
なんて気がしてしまうのは私だけでしょうか。
すると一体、私達が運命と呼んでいるものは何なのでしょう。
過去はどうやっても変えられないなら、自分を変えてしまえばいい。
これは、命がけで運命に抗った女性の物語です。
2022年11月京都産業大学附属高等学校演劇部により再演
2023年9月 東京都立日比谷高等学校24Rにより再演
2024年9月 東京都立日野台高等学校3年2組により再演