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ソウ儀

　　ソウ儀

　　【登場人物】　Ａ・Ｂ・Ｃ

　木魚の音とお経が聞こえる
　Ａ・Ｂ　座布団に正座している（もしくはパイプイスに座っている）
　Ａは無表情で、Ｂは泣いている

Ａ　　「いや〜、まさかこんなに早く同級生の葬式に出ることになるとはね。（無感情）」
Ｂ　　「そうだな。」
Ａ　　「ついこの間までピンピンしてたのにな。（無感情）」
Ｂ　　「そうだな。」
Ａ　　「まさか突然事故に遭って、死んじゃうなんてな。（無感情）」
Ｂ　　「そうだな。」
Ａ　　「友達が死ぬっていうのは想像してたより、ずっと悲しいことだよ。（無感情）」
Ｂ　　「そうだな。…いや、お前全然悲しそうじゃないじゃん。」
Ａ　　「そう？」
Ｂ　　「そうだよ！」
Ａ　　「え？どこが？」
Ｂ　　「だって、全然泣いてないしさあ。なんか冷めてるじゃん。」
Ａ　　「お前なあ、悲しみの表現はなにも泣くことだけじゃないだろ？
　　　　そんな、人の気持ちを何でも見た目だけで判断するなよ。お前の悪い癖だぞ。」
Ｂ　　「そんな理屈並べられる時点で、あんま悲しんでないだろ。
　　　　メチャクチャ冷静じゃん。」
Ａ　　「そんなことないよ。こう見えてすごい動揺してるよ。」
Ｂ　　「絶対ウソだよ！」
Ａ　　「だからそんなことないって。」

　　音響　ケータイの着メロ

Ａ　　「ほら！その証拠にケータイ、マナーにするの忘れたし。」

　　Ａ　ケータイを切る

Ａ　　「（周りに）あ、どうもすいません。」
Ｂ　　「…全っ然、意味分かんねえ。
　　　　だからさあ、何でそんなに落ち着いてられんの？
　　　　お前、あいつと結構仲良かったじゃん。」

　　Ａ　急に立ち上がる

Ａ　　「『結構』なんてもんじゃないよ！親友だったよ！」
Ｂ　　「それなら何で…。」
Ａ　　「だったら俺も言わせてもらうけどな。お前こそ何でそんなに泣けるんだよ。
　　　　お前、あいつとそんなに仲良かったわけじゃないじゃん。」

　　Ｂ　急に立ち上がる

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