PLathome
〜始発列車を待ちながら〜
登場人物



唱子 (傷ついたOL)

真琴 (毒舌な女子高生)
 
詩織 (ブログの女)

綾子 (怪しい女)
    
遥  (つぶやく大学生)
    

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幕が開くとブルー場。音楽が止むと同時に上手手前・下手奥に2本のサス。
上手サスには携帯(スマートフォン)を持って立つ女(遙)。
下手サスに同じように携帯を手に持ちながら、遙を見つめる女(詩織)。時々携帯に目を落と
し、遥の言葉を読んでいるかのようにくすくす笑う。

遙 「阪十百貨店なう。めっちゃ美味しいスイーツ購入。ガトー・ド・ハルのココアシュー、
1個170円・・・(画面を操作して)・・・VS嵐面白かった。スギちゃん大奮闘。大笑い
してまわりを見たら、誰も笑ってなかった。そろそろ見納めかもしれない。・・・(画面を
操作して)お母さんと将来の話。イライラをぶつけてしまった。明日謝ろう。・・・(画面を
操作して)謝るのを忘れた。・・・まただ。・・・・あーあ。明日は謝るのを忘れたことを
謝ろう。(画面を操作して)・・・えっとそれから・・・えっと・・・(ふと目を上げる。無
表情)」

サスが消え、遥が去る。ブルー場の中で音楽の続きが流れ、止む。

地明かりが点くと、そこは少し廃れた駅の待合室。時刻は極めて早朝。中央に木製のベンチ。
背後にはポスターが貼られた壁。上手の壁には時刻表や路線図が貼られている。下手の壁に
は今では珍しくなった伝言板。壁には幼稚園児が描いたらしき駅の絵が飾られていたり、小
学校のPTA寄贈と書かれたプランターが飾られていたり、いかにものどかな田舎の駅とい
った風情。中央やや上手よりの壁には大きな窓がある。下手にはこれまたいかにもな駅名表
示が立っており、その柵にたくさんの鍵(錠前)が取り付けられているのが見える。

一人の女性(唱子)がベンチに寝ている。体にはショールのようなものを顔まで布団代わりに
かけている。ベンチの横(上手側)に、その女性のものらしき大きな黒いボストンバッグが置
かれている。

と、そこへ女子高生らしき女(真琴)が現れる。

真琴「(携帯を見て時刻を確認する様子)・・・ちょっと早すぎたかな。まあええか」

ベンチの後ろの壁に貼られたポスターにふと目をやる真琴。ポスターには1ヶ月先のイベン
トの告知が書かれている。

真琴「あ、市民祭りか。ふーん。えっ、モモシロ来るん!まじで?!やった!・・・って、
(日付を触って)来月やったら、もう関係ないか」

真琴、そのままベンチの方を見ずに唱子のお腹あたりに思い切り座る。

唱子「ぎゃっ!」
真琴「ん?」

真琴、慌てて立ち上がり、唱子と目が合う。

真琴「うおあ!!びっくりしたあ。すいません!!」
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