舞台上の嘘〜ようこそ演劇部へ〜
−新入生歓迎 女二人バージョン−
『舞台上の嘘』〜ようこそ演劇部へ〜

  女1・・・演劇部の福部長
  女2・・・新入部員


女1「どうぞ、入って入って」
女2「失礼しまーす」

  女が二人入ってくる。
  扉を開けるような動作はない。

女2「あー、部室って、思ったより物置いてないんですねー」
女1「いやいや、ここは稽古場でね、部室には大道具やら小道具やら衣装やらがいーっぱい」
女2「けいこば?」
女1「ああ、演劇の練習をする場所だよ」
女2「なるほど」
女1「改めまして、ようこそ、演劇部へ」
女2「よろしくお願いします」
女1「そんなにかしこまらなくてもいいよ。フランクに、フランクに」
女2「はい!」

  女1、舞台前を向き、

女1「部長、お疲れ様です」
女2「・・・?」
女1「この子が新入部員です。ほら、あいさつして」
女2「あ、どうも一年の斉藤です。よろしくお願いします」
女1「この人が部長の中山さん。三年生ね」
女2「・・・はあ」
女1「さっきも言ったけど、私が副部長の山田ね」
女2「はい! よろしくお願いします!」
女1「それじゃあとりあえず、見てもらった方が早いかな。
   演劇がどういうものなのか、見るのが一番早いだろうし。
   新入生歓迎イベントの公演は観てないんだっけ?」
女2「はい。友達が見て、すっごいおもしろかったって言ってたんで、気になって見学に来ました」
女1「じゃあ、そのときの台本の一部を今から私がやるから、見てて。
   あー、普通に見るだけじゃつまらないから、私の近くについて回るのもおもしろいかな。
   まあ、好きにしてていいよ」
女2「はーい」
女1「じゃあ、始めまーす」

  女1、手を叩く。演技を始めようとする。
  が、すんでのところで女2が止める。

女2「なんすか今の!」
女1「ん、ん、ん、な、なにかな?」
女2「なんで今、手たたいたんすか?」
女1「あ、ああ。これはね、芝居を始めるときの合図ね」
女2「あ! そうだったんですか! すみません」
女1「じゃあ仕切り直して、始めるよ」
女2「はい!」

  女1、手を叩く。

女1「私の名はマリアンヌ」
女2「いやいやいや」

  女1、手を叩く。

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