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ホーム４９症候群

『ホーム４９症候群』
　　　　　　　　　　　　　　作・麦生

☆登場人物
　　
　　山本　和也・・・・・・・
　　美作　ゆり・・・・・・・
　　岡村　明美・・・・・・・
　　岡村　公平・・・・・・・
　　田岡　秀子・・・・・・・

　　　　　　　　　　　　　　　　　【　１　】

　　　　　　　　　　　　　　軽快な音楽が下がるとクロスして、ゆっくり明転。
　　　　　　　　　　　　　　和室。上手奥には襖。
　　　　　　　　　　　　　　下手には簡素な四十九日の台。横には使い古された回転座椅子。
　　　　　　　　　　　　　　上手には、クローゼット。
　　　　　　　　　　　　　　喪服にエプロンの明美、忙しそうに入ってくる。
　　　　　　　　　　　　　　飾り壇に向かい手を合わせ、おりんを鳴らす。

明美　　　　　　母さん・・・。

　　　　　　　　　　　　　　ピンポーン。

明美　　　　　　あ、は?い！

　　　　　　　　　　　　　　明美、玄関へ。

宅配（声）　　　お届け物です。岡村さんの宅でよろしいですか？
明美（声）　　　はい。・・・あ、でもこの岡村さんは違いますね。この辺り、岡村さんが多いから。
宅配（声）　　　そうなんですか！？失礼しました。
明美（声）　　　いいえ、この岡村さんは、そこの角を曲がった先ですね。
宅配（声）　　　すみません。ありがとうございました。

　　　　　　　　　　　　　　明美、戻ってくる。

明美　　　　　　・・・えっと、後はお花を買いに行って・・・。やだ、もうこんな時間。姉さんたちも来ちゃうわ。
　　　　　　　　・・・あの人、まだかしら？よりにもよって、こんな日に出張だなんて・・・。

　　　　　　　　　　　　　　明美、忙しそうに部屋を出て行く。
　　　　　　　　　　　　　　入れ替わりに、白装束の秀子、クローゼットから現れる。
　　　　　　　　　　　　　　一通り、部屋の中を物色。お供え物を食べる。
　　　　　　　　　　　　　　回転座椅子に座って遊ぶ。
　　　　　　　　　　　　　　明美、座布団を持って、入ってくる。秀子に気づかない。

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