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説得力？

説得力？

上司・・・40歳
先輩・・・28歳
新人・・・Ａ23歳
　　　　　Ｂ56歳
　　　　　Ｃ38歳(女)

　　書類を見ている。

上司「うん、うまくまとまったな。よくやったな二人とも」
先輩「ありがとうございます課長。こいつの活躍のおかげですよ」
新人「・・・・・・」
上司「よし、この企画書、これまで通りの路線で行こう。
　　　そうすれば先方も納得するだろ。大切なのは安定感だからな」
先輩「はい。それでは、この資料、メールで送りますね」
新人「・・・待って下さい」
上司・先輩「？」
上司「どうした？」
新人「僕は納得できません」
先輩「何を言ってるんだ本田」
新人「こんな保守的なことでいいんですか？　なんですか、「これまで通りの路線」って。
　　　なんの発展性もないじゃないですか。こんなんじゃ、会社は成長しないし、顧客は納得しません！
　　　もっと我々は挑戦するべきだと思います！」
先輩「お前な、少しは立場をわきまえた方がいいぞ。
　　　新人のお前なんかがそんなに偉そうに言っていいわけないんだ。
　　　お前には経験値がないんだから、俺達先輩の言うことの方が正しいんだよ。
　　　お前にもそのうちわかるから」
新人「納得できません」
先輩「お前なあ」
新人「ちょっと待ってて下さい」

　　新人Ａ、ドアを開け外に出る。

先輩「なんなんでしょうね、あいつ」
上司「まあ、若い時はあれくらい勢いがあった方がいいよ。
　　　お前も入社当初はあれくらい熱かったよな」
先輩「そうですか？」

　　ドアが開く。新人Ｂが入ってくる。
　　おっさんが突然入って来て驚く二人。

上司「あ、あの、どちらさまですか？」
新人Ｂ「え？　僕は本田ですけど
上司「は？　本田さん、ですか。あの、どちらの本田さんですか？」
新人Ｂ「え、さきほどまで一緒に話していたじゃあないですか。
　　　　入社一年目、本田カツヒコであります。では、議論の続きをしましょうか」
二人「・・・・・・」

　　戸惑う二人。「え、本人？」「なにがどうなってるの？」とか耳打ちし合う。

新人Ｂ「話の続きをしますけどね、こんな保守的なことでいいんですか？　なんですか、「これまで通りの路線」って。
　　　なんの発展性もないじゃないですか。こんなんじゃ、会社は成長しないし、顧客は納得しませんよ！
　　　もっと我々は挑戦するべきなんです！」

　　おっさんの迫力に押される二人。

先輩「いや、だからね、あの、本田・・・さん」

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