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レストラン〜ラ・ソリュート〜

レストラン〜ラ・ソリュート〜
藤堂紳弥…彼氏
優奈…彼女
ウェイター(以下ＷＡ)

レストラン。一組のテーブルがあり、ウェイターが掃除をしている。

ＷＡ：本日のお客様は…、お二人でご予約の「藤堂様」。
　　　えーっとこのお客様のお悩みは「今付き合っている彼女と別れたい」か。
　　　まったく、彼女いない歴＝年齢の私からしたら贅沢なお悩みだ。
　　　しかし仕事は仕事。お客様が満足してお帰りになれるように最善を尽くさなければ。
　　　よし！準備は完璧。それにしても遅いな。もう予約の時間は過ぎているというのに。
　　　あ〜あ、彼女欲しいな〜。あ〜あ、大和撫子的な２２歳の彼女がほしいなぁ〜。
　ＷＡはける。
ナレ：ここは「レストラン　ラ・ソリュート」。お客様に最高の料理と最高の
　　　おもてなしを提供するレストランである。一見、どこにでもありそうな
高級レストラン…だが、「レストラン　ラ・ソリュート」は一味違う。
来店したお客様の悩みも解決してしまうのである。連日、悩みを抱えた
お客様で予約はいっぱい。果たして今日はどんなお客様がやってくるのか？
「レストラン　ラ・ソリュート」開店。
　ＷＡと紳弥が入ってくる。
ＷＡ：いらっしゃいませ。ご予約の「藤堂様」でしょうか？
紳弥：はい。
ＷＡ：かしこまりました。では、こちらへどうぞ。
　紳弥を席に案内する。
紳弥：すみません予約の時間過ぎてしまって。
ＷＡ：大丈夫です。気になさらないで下さい。確かご予約ではお二人となっていましたが。
紳弥：あぁ、彼女は後から来ます。
ＷＡ：そうでしたか。
紳弥：あの〜…、本当に悩みを解決してくれるんですか？
ＷＡ：もちろんでございます。当レストランは裏三ツ星をつけると言われている
　　　「悩ミシュラン」で見事、星三つをいただいております。
紳弥：「裏三ツ星」、「悩ミシュラン」…。そんなのあるんですか。
ＷＡ：今回、事前に伺っているお悩みは「付き合っている彼女と別れたい」とのこと
ですが、後からいらっしゃいますのがその…。
紳弥：そうです。
ＷＡ：では、彼女さんがいらっしゃる前に、具体的なお話をうかがってもよろしいですか？
紳弥：はい。実はですね―。
ＷＡ：お悩みはいりまーす！！
紳弥：…。なんですか今の？
ＷＡ：お客様からお悩みをうかがうときにお店の規則でやることになっています。
紳弥：居酒屋みたいですね。恥ずかしいんでやめてもらえません？
ＷＡ：申し訳ございません。お店の規則ですので。
紳弥：話していいですか？
ＷＡ：失礼たしました。どうぞ。
紳弥：実はですね、他の女性を好きになりました。その人はバイト先の
マドンナ的存在で今の彼女と付き合う前から気になっていました。
その人からこの前告白されたんです。予想外の出来事でつい、
少し待ってほしいと言ってしまって、そのままの状態になっているんです。
ＷＡ：今すぐにでもその女性に返事をしたいので、今の彼女と別れたい。ということ
ですか？
紳弥：…はい。
ＷＡ：失礼ですが、何故ご自分でお話されないのですか？
紳弥：これでも、自分が悪いことしているのはわかっています。こんな別れ方したら彼女、
　　　きっと傷つくと思うんです。自分勝手かもしれませんが彼女が
傷付かないように別れたいんです。
ＷＡ：…。
紳弥：こんなヒドイ悩みでも解決してくれますか？
ＷＡ：もちろんでございます。来店しましたお客様は皆さん満足してお帰りになられます。
　　　きっとお客様も満足していただけるはずです。

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