あの月が満ちる夜に
暗転スタート。
樹 「かぐや姫は、僕を覚えていてくれるのだろうか」
電車の急ブレーキ音、衝突音。
しばらくして、ゆっくりと明転。
何もない舞台。
相模樹(さがみいつき)呆然と立っている。
上手端に富田りんご(とみたりんご)が立っている。
樹 「……ここは……?」
間。
りんごは、ケータイの電波を探している。
樹 「ちょっと待て。僕は電車に乗ってたはずで……」
りんご「…(電波探してる)」
樹 「ここは、一体……」
りんご「……あたしも」
樹 「……え?(初めてりんごの存在に気づく)」
りんご「……あたしも電車乗ってた」
樹 「じゃ、じゃあ、ここは何処なんだ?!」
りんご「……わからない…」
樹 「わからないって…っ」
りんご「あなたもわからないじゃない…」
樹 「……っ」
りんご「……でしょ?」
樹 「(はっとして)今、何時だ?!」
りんご「……さぁ?」
樹 「……っ」
樹、走って上手へ退場。
りんご「そんなに焦らなくたっていいのに……」
りんごも上手へ退場。
仕事机を持った、ハルカ、カナタが下手から登場。
仕事机の上には電話。
ハルカ「誰がここに住むのー?」
カナタ「サガミイツキ。25歳。小説家だって。若いねー」
仕事机、下手奥に設置し、退場。
次は小さな机と仕事机の椅子を持って、登場。
ハルカ「でも、こればっかりは運命だから」
カナタ「仕方ない、仕方ない」
椅子は仕事机のところに、机は上手前に設置。
次は、ソファをもってくる。
ハルカ「こんな感じかな」
カナタ「そうだよ、きっと」
ソファは机の奥側に置かれる。
次は、本や資料のプリント。
ハルカ「あとは」
カナタ「こーんな感じぃ♪」
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