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HEROはその辺りに

須田…一般人。一応まともな奴。
山梨…自称「大阪市辺りの正義の味方」
田野…本物の「大阪市辺りの正義の味方」
ワルイヤーツ…敵、悪い奴。実はそんなに悪くない。バカ。

ワル、舞台中央で体操をしている。終わってから台詞。

ワル「ふふふ…俺様の名前は、ワルイヤーツ!! スッゴい悪い奴だぜ!! 今日も６時に起きてラジオ体操したから、目覚めもバッチリだぜ!!」

須田、下手より登場。

ワル「あ、おはようございます」
須田「え？あぁ、おはようございます。……えっと、あの」
ワル「なんですか？」
須田「以前お会いしましたっけ？」
ワル「いえ？」
須田「…そうですか」
ワル「いやぁ、いい天気ですね」
須田「はぁ…。……お会いしたことあります？」
ワル「ないですよ」
須田「ですよね？」
ワル「なんですか？さっきから」
須田「いや、いきなり話しかけられたんで」
ワル「おはようの挨拶は礼儀でしょう？」
須田「あ、そうですね。すいません」
ワル「いえ、いいんです。そんなことより、こんなに清々しい朝はアレですね」
須田「どれですか？」
ワル「アレですよ。大阪市征服とかしたいですね」
須田「え？」
ワル「大阪市征服」
須田「セーフク？」
ワル「征服」
須田「あぁ、征服ね。…えぇ!? 征服!?」
ワル「当たり前でしょう。俺悪い奴なんですから」
須田「悪い奴だったの!? 全く気付かなかった…。…てか悪い奴なのに敬語!?」
ワル「初対面の人には敬語だろ!! お前は礼儀も知らないのか!!」
須田「その言葉が既に敬語じゃない!? って俺悪い奴に礼儀言われてる…」
ワル「悪い奴だって名乗ったから初対面じゃなくなった!! 『礼儀が出来ない奴は悪より悪だ』って言葉知らないのか!?」
須田「えぇ!? …すいません。知りません…。…誰か偉人の言葉ですか？」
ワル「俺が今作った」
須田「じゃあ知らなくて当然だよね!?」
ワル「お前は自分の当然が人の当然だと思う種族か!!」
須田「違うよ!? てか多分そんな種族ないよ!?」
ワル「なんて野郎だ。まずは大阪市征服の第一歩として、お前を叩く!!」
須田「叩く!? なんて地味な攻撃だ…」
ワル「痛がれーい!!」
須田「死ねじゃなくて!? とにかく、誰か助けてー!!」
山梨「ちょっと待ったぁ!!」
ワル「誰だ!?」

ワル、須田、下手を向く。
山梨、上手より登場。

山梨「俺だ!!」
須田「そっち!?」
ワル「くそぅ、フェイントか」
山梨「そうだ、ヒューストンだ」
須田「いや、フェイントだよね!?」
山梨「ヒューストンだ」

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