ミステリーBOX
「ミステリーBOX」



桂木「室町ー、これ運ぶの手伝ってくれー」
室町「はーい」
桂木「よっこいしょっと、ふぅ…」
室町「やけに重いですね、なんすか? これ」
桂木「今日の宅配物なんだ」
室町「こんな重いの運ぶんすか?」
桂木「あぁ、中身は聞いてないが届け先は警察署らしい」
室町「警察署? 警察署に宅配物なんて一体誰が?」
桂木「それなんだよなぁ…」
室町「え?」
桂木「中身も差出人も書いてねぇのよ、書いてんのは届け先だけ」
室町「…ヤバいもんじゃないですよね?」
桂木「知らねーよ」
室町「…桂木さん」
桂木「なんだ?」
室町「気になりません? 中身」
桂木「…気にならないって言ったら嘘になるな」
室町「でしょでしょ?」
桂木「俺もこの仕事今までやってきて、中身と内容物の品名が違ったのは藁人形だけだからな」
室町「えらいもん運んで来たんすね!?」
桂木「お前品名のとこに、ホールケーキって書いてんのになまもののシール貼ってねぇんだよ? その上めちゃくちゃ軽いし、そりゃ開けるでしょ」
室町「びっくりですね」
桂木「そりゃびっくりよ、中身軽いのに気分超重くなったわ」
室町「てか藁人形って通販とかで売ってんすか!?」
桂木「あぁ、ジャパネットでな」
室町「なんという暗黒面…」
桂木「それよりどうするよ? 開けてみるか?」
室町「…もし爆弾とかだったらどうします?」
桂木「は?」
室町「テロ組織が警察に対して宣戦布告のように爆弾送るんだとしたら!?」
桂木「いや、ないだろ」
室町「あぁ!! そうなったら届けた僕たちも捕まるのか!?」
桂木「だから…」
室町「いや、テロ組織に口封じのために消されるかも!!」
桂木「むろま…」
室町「あぁぁ!! ごめんよ!! パパ死んじゃうよ〜!!」
桂木「おい!!」
室町「!? なんですか!?」
桂木「お前子どもいないだろ!! 熱くなりすぎだよ!!」
室町「だって爆弾ですよ!?」
桂木「なんで爆弾で決定なんだよ…」
室町「僕まだ死にたくないっすよ!?」
桂木「だから爆弾って決まってないだろ。どうせフルーツの盛り合わせとかだよ」
室町「なまもののシール貼ってないのにっすか?」
桂木「…それは、お前あれだよ、なんて言うか、気分だよ」
室町「気分で貼るもんなんすか!?」
桂木「…じゃあタオルとか」
室町「引出物ですか?」
桂木「洗剤」
室町「こんなに重いのに?」
桂木「テレビ!!」
室町「警察署に?」
桂木「あぁ!! 知らねーよ!! 知るかよ!! 開けりゃわかるじゃねぇかよ!!」
室町「ダメっすよ桂木さん!! 開けた瞬間爆発するかも知れないじゃないっすか!!」
桂木「爆発しないかもしれないじゃないか!!」
室町「なんでそんなギャンブルちっくな賭に命張らないといけないんすか!?」
1/3

面白いと思ったら、続きは全文ダウンロードで!
御利用機種 Windows Macintosh E-mail
E-mail送付希望の方は、アドレス御記入ください。

ホーム