レンタルおじいちゃん
レンタルおじいちゃん
芽衣・・・女
おじいちゃん・・・男
やぶ医者・・・男
タメ口看護婦・・・女
芽衣:わたしはいつも思い出す。おじいちゃんが死んだ日のこと。
あの日は、とにかく暑かった。
あまりの暑さにうちのペットのハムスターが真っ平になるという事件が起きた
ほどである。それは良いとして、とにかく暑かったのだ。
おじいちゃんはうだるほど暑いのに布団に涼しげに寝ていたのが印象的だった。
おじいちゃんは優しく、そして暖かかった・・・でも死んだ。
わたしは・・・本当は、おじいちゃんは死んでいないとか、今でもひそかに
思っているのである。
芽衣がベットから起きる
医者:ちょと!看護婦!目さめたよ!これ!
看護婦:わたし、看護師ね。
医者:そんなことより、目覚めたって!すごくね!俺すごくね!名医じゃね?
看護婦:随分かかったから、あんたのおかげじゃないと思うよ。
医者:そういうなよー。てか、医者にあんたって。
芽衣:あのー、ここは?
医者:ご安心ください。ここは病院であり、わたくしはあなたの担当医であります。
看護婦:こんな医者じゃ不安でしょうがないって言ってやって。
医者:こら!だからタメ口聞くな!
看護婦:この先生はやぶ医者さんです。
医者:だから、オレは薮田ね。薮田医師。
看護婦:あなたも親しみをこめてやぶ医者って呼んでね。
医者:変な略しかたすんなよ!最近、院内放送でもそれで呼ぶだろ!お前!やめろよ!
芽衣:病院?わたし、なにか病気なんですか。
看護婦:やっぱり覚えてないの?じゃあ・・・。
医者:君は、交通事故にあったのだよ。
芽衣:交通事故?
医者:タメ口看護婦!状況説明!
看護婦:じゃあ言うね。
ええとね、まず、あなたは、友達と遊ぶべくチャリで近所の公園へむかった
のね。ちなみにそのスピードたるや、一般人には見えないとか見えるとか。
芽衣:何ですか。その説明。
医者:君はあれか?族なのか?なにか。向った先は集会か?
芽衣:違います!憶えてないけど・・・。
看護婦:そんで、その途中に4tトラックに轢かれました。
そのとき、とっさにチャリをたてにしてショックを最低限抑えてるの。
すごいね。
医者:君はあれか?池谷幸夫の生まれ変わりか?
看護婦:池谷死んでないけどね。
そんなこんなで、無傷だったけど、頭から落ちて、脳に障害が起きて寝たき
りになったの。詰が甘いわね。
医者:君はあれか?ええと・・・その・・・。
看護婦:何はともあれ生きてるなんだからいいじゃね。
芽衣:全然憶えてないけど・・・。
看護婦:そのうち思い出すっしょ。焦んなくていいし。
芽衣:そうだね・・・あっ!そうだ。お父さんとお母さんは?
医者:・・・実はだね。君の体は免疫力が極端に低下していて、特殊な検査と食事制限・殺菌を受けている私とこのタメ口看護婦しかこの部屋に入れないことになっている。なので我々になんでも言ってくれ。
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