男のロマン
お前の妄想で物理法則を超えてみせろっ
「男のロマン」
男「男子諸君に尋ねる。心して答えて欲しい。真剣に考えて欲しい。
もしも、もしも、透視能力が手に入ったら、どうする？
もしも、自分が透明人間になったら、どうする？
君なら、何に使う？ どう使う？
──どんな犯罪行為を想像しただろうか。
その行為がせめて、性犯罪でないことを、私は祈っている。
・・・それからもう一つ。
もしも、時間を止めることができたら──？」
／
田中、舞台中央でポーズを決めている。
ナレーション
「彼の名は田中太郎、どこにでもいるさえない男である。もてない。
彼女がいたこともないし、女の子と手を繋いだこともない。もてない。
彼はある日、魔法のようなアイテムを手に入れた！
男なら誰でも一度は妄想したことがある、男のロマンを体現したようなアイテムである！
男のロマン、それは、えっちなことに決まっている！
そんなえっちを体現したようなアイテムを、彼は使いこなすことができるのか！？
というか彼は、物理法則の壁を超えることができるのか？」
／
①すけるメガネ（透視能力） → あの子の裸を見ちゃえ！
田中、メガネを持っている。
田中「ついに手に入れたぜ！ すけすけメガネだ！
これをかければ、服が透けて見えるぜ！
女の子の裸を見ることができるぜっ。
へっへっへ・・・さあて、誰の裸を見てやろうか」
女、携帯電話を見ながら歩いてくる。
田中「へっへっへ・・・あの子にするかあ」
田中、メガネをかける。
田中「ほほほほほ、透けてきた透けてきた。だんだんと女の子が──見えなくなってきた・・・」
女、消える。
田中、メガネをはずして目をこする。
裸眼なら女の子が見える。しかし、服を着ている。
田中「あれ、おっかしいな。
ああ、いきなり強すぎたんだな。透視しすぎたか。
よし、ダイヤルを調整してまずは下着姿でも拝んでやるかあ」
田中、メガネのダイヤルを回す。
メガネをかける。
田中「ほうら、すけてきたすけてきた・・・ってなんも見えねえ！
不良品かあっ！？」
ナレーション
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