タイム・リミット
『タイム・リミット』
登場人物
室伏(ムロフシ)…某警察機動隊、爆発物処理班の班長。
貫禄はあるが、緊張感が足りない。マイペースな性格
で、娘を溺愛するお父さん
長谷川(ハセガワ)…室伏班の構成員。爆薬の知識に富んだ若きエース。
生真面目な性格で、仕事熱心。
室伏のマイペースさに振り回され、胃が痛い
明転。とあるビルの一室。
部屋には強力な爆弾が仕掛けられている。
某警察署から派遣された爆発物処理班の室伏と長谷川。
長谷川が撤去作業に当たっている。
室伏「…でさぁ、娘が初めて私に手作り弁当作ってくれたんだぁ。
いやぁ、嬉しいの何のって…。天使かと思ったね、あの笑顔ときたら」
長谷川「そうですか、それは良かったですね」
室「うん、良かったよぉ〜。あの天使の笑顔、長谷川君にも
見せてあげたかったなぁ」
長「そうですか、それは惜しかったですね」
室「うん、惜しかったよぉ〜」
長「終わりですか?」
室「うん?」
長「もうお話は終わりですか?終わりですよね。はい、終了!」
室「いやいや、長谷川君。まだ終わりじゃないよ。
これには続きがあってだね…」
作業していた手を止める長谷川
長「室伏さん、今の状況わかってます?」
室「ん〜?もちろん、わかってるよ」
長「嘘でしょ。絶対わかってない!」
室「おいおい、落ち着きなさいよぉ。私は班長だよ。状況把握を
怠るなんて失態、するわけがないだろう」
長「じゃあ、何で娘の自慢話してるんですか」
室「少しでも君の緊張をほぐそうと思ってね…」
長「やめてください。余計に手が狂いますから」
室「写真見る?」
長「いいって言ってんだろ!もう!」
作業に戻る長谷川
室「ちぇ〜、こんなに可愛いのに…」
写真を懐から取り出し、幸せそうな表情の室伏。
真剣な表情で撤去作業にかかる長谷川
室「…時に、どんな感じだい?爆弾の方は」
長「正直、難航してます。犯人も厄介な物を仕掛けたもんですよ…」
室「そうかぁ〜。大変だねぇ」
長「あの、本当にそう思ってます?」
室「思ってるよぉ〜」
納得のいかない表情の長谷川。
室伏はそれに応えるように、満面の笑み
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