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君は青い音色　(20分)

看護　夕飯は基本的に夜七時から。早く食べたい時は六時半にも出来ます。遅くした
　　　い時は八時が限界かな。九時に食堂が閉まっちゃうからね。

　　　　少年の部屋。
　　　　少年は椅子に座っている。少年のすぐ近くで少女が床に座っている。

看護　あとー、外出は許可を取ってください。急にいなくなったら大捜索になっちゃ
　　　うからからね。そのくらいかなー。うん、以上。何か質問はある？
少年　…。

　　　　少年、窓の外を見る。
　　　　その様子を見ている少女。追う様に窓の外を見る。

　　　　快晴。

少年　雨。
看護　え？
少年　雨…。

　　　　雨の音が大きくなっていく。

　　　　■

　　　　雨の音、カットアウト。
　　　　別室。診察室の様な所。

母親　その、どのくらいになるでしょう？
医者　と、言いますと？
母親　こちらでお世話になる期間は…。
医者　今の時点ではまだなんとも。
母親　そうですよね…。
医者　出来るだけ早くというお気持ちも分かります。しかし荒療治をする訳にもいき
　　　ません。目に見えないものだからこそ慎重に。まずは落ち着いてゆっくりと経
　　　過を見てみましょう。
母親　…はい。
父親　長くなればなるだけ、費用が嵩むって事ですよね。
母親　ちょっと、やめてよ。
父親　だってそうだろ。
医者　あいにくですが。
母親　すみません…。

　　　　ノックの音。
　　　　看護婦、入室。

看護　失礼します。戻りました。
医者　彼は？
看護　お部屋に。
医者　そう。
母親　(看護婦に)よろしくお願いします。…あの、私達はあと何を済ませれば？　
医者　…いえ、特には。お二人もしばらくはゆっくりされてください。これまでの手
　　　続きや準備などでお疲れになったでしょう。ケアをする側にも心のゆとりが必
　　　要ですから。
父親　じゃあ、行くか。
母親　ええ…。(医者と看護婦に)よろしくお願いします。

　　　　母親・父親、退室。

看護　(医者に)お疲れ様でしたー。
医者　(鼻で笑う)
看護　？　

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