空のモリビト。
〜心の隅にはいつも大空〜
空のモリビト。〜心の隅にはいつも大空〜

原作:蝶々 様『空のモリビト。〜心の隅にはいつも大空〜』,改編:RsB

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スイ   (女,13歳) 男勝りな女の子。将来有望な美人さん。『器』候補。
           両親がいないため、シエルの家へ居候。
シエル  (男,14歳) スイの幼馴染。優しすぎる男の子。『森人』。若草色のローブ着用。
リオ   (男,14歳) シエルの親友。スイとシエルを見守る。一般村人。漁師の子。
ラグ   (女,35歳) シエルの母。『守人』。元『器』。大らかさなら一番。深緑色のローブ着用。
ステラ  (女,?)  『守人』。元『森人』であり、ラグと同一で同意義。若草色のローブ着用。

幼少スイとシエルはラグとステラが変わる。(もしくは声のみで構わない。その場合は変更なし)

他、演者さんの数に応じ、村人適宜。
舞台装置は例えば二段ベッドの裏に木の張りぼてなど使いまわしのパーテンションを使うと楽かと。
二段ベッドはあくまで理想ですので、演じる際にはご自由に。

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prologue
本編より数年前。スイ,シエルは5〜8歳くらい

スイ  ラグさーん
シエル かあさんっ
ラグ  あら、どうしたの?
ステラ [いつもみたいに転ぶわよ]
シエル なっ、平気だよっ
ラグ  あらあら、ステラちゃんたら
スイ  ラグさん
ラグ  、なぁに、スイちゃん
スイ  シエルと話してたんだ。あの『物語』を話してもらおうって
シエル うんっ、聞きたいっ
ラグ  ふふ、そう。ならお話しましょうか

ラグ、椅子に腰掛け、本を開く。子ども2人はラグの足元に並んで座る。
ステラは少し離れたところに腰掛ける。


ラグ 「――――昔々。
    村の若者が森の美しい精霊と恋に落ちました。
    精霊は、自然界を司る神・精霊王の娘でした。
    周囲の反対を押し切って、なかば駆け落ち同然に二人は一緒になりました。
    愛し合う二人の間にはやがて子供も生まれ、幸せに暮らしていました。
    けれど、人間と精霊。
    種族の違う二人の愛の代価は、その子供に現れてしまいました。
    精霊の母によく似た末の子供は、人間の体に精霊の力を宿していたのです。
    その子供は成長するにつれて、体が日々強くなる精霊の力を受け止めきれなくなってきました。
    日に日に弱っていく我が子に胸を痛め、精霊は父である精霊王に懇願しました。
    どんな報いも受けますから、どうかこの子を助けてください、と。
    精霊王は、こう答えました。
    『その子供を、人間と自然界の架け橋にするのならば助けてやろう』
    それはつまり、その子供は人間でも精霊でもない、中立の者になるということでした。
    精霊は、この子が助かるのなら、と承諾しました。
    そして子供は、精霊王から新しい力を授かりました。
    人間の『器』となりうる肉体を持つ者と、『契約』を交わして、『同一』になる力を。
    精霊の子供は、村で一番仲の良かった子供と『契約』を交わして命をながらえました。
    その精霊の子供が、一番初めの『森人』(モリビト)で、『器』になった村の子供と共に
    森と村を守る『守人』(モリビト)になったのです。」
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